同性を好きになる人は加齢とどう向き合うか ―LGB当事者の声から考える―


はじめに

近年、日本では同性や両性への性的指向を表す「レズビアン」「ゲイ」「バイセクシュアル」[1]といった単語を見聞きする機会が増えたのではないだろうか。タイトルにある「LGB」というのは「レズビアン(L)」「ゲイ(G)」「バイセクシュアル(B)」の頭文字を取ったものである。「トランスジェンダー(T)」「クエスチョニング/クィア(Q)」「その他の性的指向(+)」を加えた「LGBTQ+」という単語を目にしたことのある人も多いだろう[2]。また、自身の性的指向を公言する人々も徐々に増えてきている。2019年からは、「結婚の自由をすべての人に」訴訟[3]が全国5つの地方裁判所(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡)で提訴された。大阪地裁を除き、同性どうしでは結婚ができない現在の法律を違憲だとする判決がくだされ、徐々に高裁へと上告されつつある。

しかし、日本で同性愛者・両性愛者の方々について取り上げられる場合、その多くが若い世代の人々であり、中高年の当事者についての情報は少ない印象だ。そもそも、ジェンダー・セクシュアリティに関連する話題に焦点が当てられはじめたことが最近であり、インターネット上での情報のやり取り・交流を盛んに行う若者の方が興味関心を持っていることがその原因のひとつとして考えられる。そこでこのルポでは、同性を好きになる人々の加齢に伴う課題や高齢期への不安・対策について、当事者へのインタビューを通じてその実情に迫る。

 

第1章 ゲイ男性が年を重ねるにつれて感じた問題とは(伊藤悟さん)

2024(令和6)年6月、このルポを制作するにあたって最初の取材協力依頼をした。その相手は、「性的マイノリティの老後を考え、つながりあう」NPO法人パープル・ハンズ[4]の事務局長を務める永易至文さんだった。大学生からの取材・調査協力依頼は原則受けていないとのことで、残念ながら取材することは叶わなかった。しかし、生活を語ってくれそうな高齢の性的マイノリティ当事者の方を紹介してくださった。その中のひとりが、伊藤悟さん(71)だ。

伊藤さんを紹介してもらってからすぐに伊藤さんのことを調べ、性的マイノリティ男性向けのNPO法人を運営していることを知った。伊藤さんご自身の経験とNPO法人での活動について話を聞きたいと感じ、その日のうちに取材の問い合わせをした。伊藤さんからは翌日すぐに返信があり、とんとん拍子に取材の日時と場所が決定した。

2024(令和6)年6月、11月の2回にわたり、津田沼駅前のファミリーレストランにて伊藤さんにお会いした。伊藤さんは、性的少数者の人生を応援するNPO法人「すこたん!」[5]の創設者で、ゲイであると自認されている。現在は、パートナーの方とお二人で生活されている。伊藤さんは高校・予備校・大学の講師のご経験をされているほか、すこたん!での講演やカウンセラーとしての活動も長く行われており、つい聞き入ってしまうお話ぶりがとても印象的だった。伊藤さんは著述業のご経験もあり、著書はLGBTQ+関連や英語の参考書など様々なジャンルにわたる。多彩な伊藤さんに、幼少期から現在までのお話を、様々な切り口からうかがった。

(津田沼駅前のファミリーレストランにて取材に応じてくれた伊藤悟さん=撮影:岩味夏海)
(津田沼駅前のファミリーレストランにて取材に応じてくれた伊藤悟さん=撮影:岩味夏海)

 

若い頃は老後のイメージも湧かなかった

伊藤さんが同性愛者の生き方を応援するNPO法人「すこたん企画」[6]を創設するきっかけになったのは、1994年にニューヨークでパートナーとともに参加したストーンウォール25周年パレード[7]だった。伊藤さんとパートナーは、パレード参加者の人々との交流を通じて勇気をもらった勢いで、すこたん企画の活動を始めたという。伊藤さんは、「すこたんはノリでつけた名前なんです」とはにかみながら話してくれた。パートナーの方と伊藤さんは猫好きで、当時は特にスコティッシュフォールドという種類の猫が好きだった。そこからすこたんという団体名が生まれたそうだ。

今日もすこたん!の創設者かつ相談役として精力的に活動され、ゲイ男性のロールモデルとなっている伊藤さん。しかし、NPOを立ち上げた当時は、将来に対する不安が強かったという。伊藤さんが若い頃は、周囲に自分が性的少数者であることをカミングアウトする人がほとんどおらず、ロールモデルと呼べる存在がいなかった。それゆえ、年齢を重ねても関係が続いている同性同士のカップルがいたとしても目に見えない状況だった。伊藤さんは、「年を重ねたらどうなるのかはよくわからず、不安しかなかった」と当時を思い出して語ってくれた。同性愛者の仲間同士でも、若いうちしか楽しみがないのでは、あるいは寂しく暮らしていくのではというような話をしており、とにかく老後のイメージが湧かなかったという。

伊藤さんは現在のパートナーとの関係が30年以上続いている。週2、3回はふたりで買い物に行き、休日には外房のあたりへドライブすることが多いという。ふたりの日常を語ってくれる伊藤さんの話ぶりからは、日々が幸せであることが伝わってきた。

年齢を重ねる中で直面した問題は

伊藤さんは、実際に年を重ねる中で、「医療」の問題を一番初めに感じたという。
11年前のある日の深夜、伊藤さんのパートナーが突然腹痛に襲われ、朝方に救急搬送された。パートナーは激痛で苦しんでいたため、伊藤さんが診察に付き添い、代わりに病状を説明しようとしたところ、親族でないと診察に付き添うことはできないと言われたそうだ[8]。パートナーは腹痛に悶え苦しみながら自分自身で病状を説明することとなり、伊藤さんはパートナーの状態について何も情報を教えてもらえないまま病院の廊下で待つことになった。1時間以上が経過したところで、ようやく腹痛の原因が尿管結石であり、さらにもうすぐ体外に排出されそうな位置にあることが判明した。伊藤さんが買ってきた大量の水を飲むことによってパートナーの尿管結石は無事に排出され、激しい腹痛も収まり、通院も不要になった。伊藤さんは緊張感と不安を孕んだ声色で当時の心境を語ってくれた。最終的にパートナーは無事であったものの、「パートナーの死に目に立ち会えないのでは/自分の死に目にパートナーに会えないのでは」という不安を伊藤さんとパートナーそれぞれが抱えていたという。この一件が起こる以前からパートナーの死に目に立ち会えなかった同性カップルの話は聞いていた。しかし、いざ自分で体験したことによって、老後について考えなければならないと実感したそうだ。

この一件があり、伊藤さんとパートナーは同性パートナーシップ宣誓[9]をしようと考えた。しかし、当時住んでいた千葉県船橋市では同性パートナーシップ制度が導入されていなかったため、その導入に向けた活動をしていたそうだ。その活動の中では議員間の派閥を超えた超党派の動きもあったものの、同性パートナーシップ制度をあまり推進したくないと考える議員もいたようで、なかなか議論が進まなかった。活動の最中、2019年に千葉県千葉市において同性パートナーシップ制度が導入されたため千葉市に引っ越し、パートナーシップ宣誓をしたそうだ。ここで、再び大きな問題に直面した。それは、「住まい」の問題である。

住まいの問題は、同性カップルの多くが直面するという。不動産会社は部屋を貸したいという思いがあるため、同性カップルが部屋を借りるための努力をしてくれるが、そもそも部屋を所有している大家が同性カップルに部屋を貸すことを拒否する場合があるそうだ。不動産会社から了承を得て内見までしたのに、男性2人だからという理由で結局部屋を借りられないことが多かったそうだ。加えて、若ければ男性2人でもルームシェアだと捉えられる場合もあるが、高齢になるとそう捉えられず、怪しまれてしまうことも多かった。伊藤さんたちの場合は、部屋を借りることができても何かと近隣トラブルに巻き込まれることが多く、度々引っ越しをすることになったため、とても大変だったという。また、男性2人で暮らしていると、近隣の人々からの目線がとても気になるそうだ。現在は知人からの提案で一軒家を丸ごと借りているが、それでもまだ近隣の人々の目線は気になるという。すこたん!の活動参加者の中にも、そのような経験をした人が少なくないそうだ。将来的には静かな田舎の古民家を購入したいと考えているそうだ。

加えて、最近では公正証書[10]、いわゆる遺言の作成について2人で話し合っているという。高齢になってきたからこそ、パートナーが急に亡くなったら大変だということで、準備することにしたそうだ。それと同時に、任意後見制度[11]を利用して、お互いがお互いの後見人になることも進めている。任意後見の制度を利用することで、パートナーが契約に必要な判断能力を失ってしまった際に、保険などの手続きをすることができるためだ。このような手続きを踏むことで、配偶者のように振る舞えるようになるため、年内の作成を目指しているそうだ。しかし、異性カップルであればこれらの手続きを踏まずとも配偶者として振る舞えることについて語る伊藤さんの表情にはどこか悔しさが滲んでいた。

 

パートナーシップ宣誓と同性婚への思い

伊藤さんは、パートナーシップ宣誓についても様々な観点から語ってくれた。伊藤さんは若い頃に友達の結婚式に出ることが嫌だったそうだ。伊藤さんが同性の誰かと結婚に近い関係を作ったとしても、異性カップルと同じように祝ってもらう機会はないだろうと感じていたためだ。年齢を重ねる中で、「2人で祝えればいいじゃん」というように感覚が変わってたものの、当時は結婚式に出るたびに悲しく、落ち込んでいたという。

それゆえ、同性パートナーシップ宣誓をするかどうかも、2人で非常に悩んだという。同性パートナーシップ宣誓は結婚と比べてできないことが多く、そこまで効果がないのではないかと考えていたそうだ。しかし、パートナーが救急車で搬送された時の経験を踏まえて、2人の関係を証明してくれるものがあるに越したことはないと判断し、パートナーシップ宣誓に至ったという。また、医療だけではなく、住まい探しに関してもパートナーシップ宣誓は有効であるそうだ。度重なる引越しの中で、パートナーシップ宣誓証を見せることによって信頼をしてくれた大家さんもいたという。

パートナーシップ宣誓証は、日常生活の中でも2人の関係を証明することに役立つようだ。伊藤さんは現在NPOの活動やお仕事の中で新たに人に出会うことが多いそうだが、その中で同性愛者であることをカミングアウトする必要がある時に、宣誓証が役立つという。カミングアウトをすると、LGBTQ+についてやパートナーについてなど、いろいろな説明をしなければいけない可能性があり、新たな出会いがあるたびにそれらの説明をすることはとても大変だ。しかし、宣誓証を見せればそれが説明代わりになり、多くの人が理解してくれるため、とても楽だという。

パートナーシップ宣誓証は思った以上に役に立ってくれたものの、それでもやはり異性カップルの結婚とは異なるものであり、限界を感じているそうだ。伊藤さんは若い頃から結婚制度に対して疑問を持ちつつも、同性カップルの婚姻が選択肢として与えられていないのはおかしいと感じていたそうだ。もし今後日本で同性婚が法制化された場合には、「2人で悩んだ末に現実的な理由で同性婚をするだろう」と語った。やはり、現在行っている任意後見や遺言などの手続きはとても面倒で時間もかかるため、それらが不要になるのであれば背に腹は変えられないそうだ。

 

第2章 同性を好きになる人が抱える不安とは

ここで、「公益社団法人Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」[12]の公式サイトに掲載されている表を見てみる。この表は、法律婚・事実婚(異性間)・同性カップルの権利や社会保険などをそれぞれ比較したものだ。出典元ではより多くの項目が比較されているが、今回は「加齢」に特に大きく関係してくる項目を抜粋した。

法律婚・事実婚(異性間)・同性カップルの比較から筆者抜粋(出典:https://www.marriageforall.jp/marriage-equality/)
法律婚・事実婚(異性間)・同性カップルの比較から筆者抜粋(出典:https://www.marriageforall.jp/marriage-equality/)

この表から、法律婚・事実婚(異性間)・同性カップルの間で得られる権利の違いが読み取れる。

まず、「法定相続権・遺留分」「配偶者控除(所得税)」「相続税の税額軽減」は、法律婚でのみ得られる権利だ。続いて、「社会保険」については、法律婚と事実婚(異性間)では権利を得られるものの、同性カップルには権利が認められるのか不明な状況だ。そして、「病院での面会・病状説明・手術同意」は、事実婚(異性間)と同性カップルにとっては認められる場合もあればそうでない場合もある。

同性カップルは、法律婚ができないことにより、「法定相続権・遺留分」「配偶者控除(所得税)」「相続税の税額軽減」の権利が認められない状況にある。加えて、事実婚をしている異性間カップルには認められる「社会保険」の権利も認められていない。そして、「病院での面会・病状説明・手術同意」も認められない場合があるなど、異性カップルと比較して認められる権利が少ない。このような現状がある中で、同性を好きになる人々は老後にどのような不安を感じているのだろうか。

認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ[13]は2023年6月に「LGBTQ+当事者の老後の不安に関するアンケート調査 〜誰もが安心して過ごせる老後を目指して〜」を実施した。以下が調査概要[14]である。調査の方法でも説明されているように、X(旧Twitter)やInstagramといったSNSなどを通じて回答者を募集したそうだ。

調査概要
調査概要

https://pridehouse.jp/assets/img/handbook/pdf/Research_on_Post-Retirement_Insecurity_for_LGBTQ+_People_240326web.pdf

 

アンケート回答者の年齢分布は以下のようになっている。

アンケート回答者の年齢分布
アンケート回答者の年齢分布

https://pridehouse.jp/assets/img/handbook/pdf/Research_on_Post-Retirement_Insecurity_for_LGBTQ+_People_240326web.pdf

 

回答者が最も多い年代は40代であり、自身の老後について考え始める人が多いのだと推測できそうだ。40代以上の人々の人数は合計で177人であり、回答者の半数以上を占めている。

 

続いて、回答者の回答者の性的指向とLGBTQ+ごとの人数比を見る。

回答者の性的指向とLGBTQ+ごとの人数比
回答者の性的指向とLGBTQ+ごとの人数比

https://pridehouse.jp/assets/img/handbook/pdf/Research_on_Post-Retirement_Insecurity_for_LGBTQ+_People_240326web.pdf

 

レズビアンもしくはゲイと回答している人が最多で、バイセクシュアルがそれに続く。同性愛者・両性愛者の合計人数は242人で、回答者の約7割を占める。ただし、LGBTQ+ごとの人数比を見ると、ゲイだと回答した人が176人と、他のジェンダー・セクシュアリティに比べて圧倒的に多数となっている。

 

これらの結果から、このアンケート調査の結果が「全ての性のあり方の傾向を均等に表しているわけではないことに留意する必要がある」と述べられている。

 

続いて、「老後に対して不安に感じることについて、選択肢の中から1位〜5位を選んでもらう」という調査形式でアンケートを行った結果を紹介する。

 

以下は、同性愛者(レズビアンもしくはゲイ)の方々が1位として選んだ不安の内容を示したグラフだ。

同性愛者が1位として選んだ不安の内容
同性愛者が1位として選んだ不安の内容

得票数1位の「収入や仕事に関すること」は、回答数の約35%を占めている。また、2位の「健康に関すること」も回答数の約16%にあたる。3位には「パートナーや恋人に関すること(婚姻に関することを除く)」「年金や社会保障に関すること」の2つが同率でランクインしている。

 

続いて、両性愛者(バイセクシュアル)の方々が1位として選んだ不安の内容を示したグラフを見ていく。

両性愛者が1位として選んだ不安の内容
両性愛者が1位として選んだ不安の内容

同性愛者の方々とは回答数が大きく異なるため、単純に比較することはできない。しかし、上位にランクインしている不安の内容は、「収入や仕事に関すること」をはじめとしてかなり近いものになっている。

 

「その他」に回答された不安の内容についても見てみると、家族の介護・看取りについての不安や、自分自身の死の前後についての不安を抱える方もいるようだ。

「その他」に回答された不安の内容
「その他」に回答された不安の内容

これらの調査結果から、同性・両性愛者の方々は老後に対して、収入・仕事・健康・恋人やパートナーの関係について不安を持つ方が多いことがわかる。これらの悩みを見ると、一見異性愛者が老後に対して抱く不安と大きく変わらないような印象を受ける。実際、老後への不安は、性的指向にかかわらず誰もが抱くものであろう。しかし、同性・両性愛者であるがゆえの悩みも確かに存在するのではないだろうか。

そこで、続いては同性パートナーとの生活への不安とその対策について書かれた書籍を紹介する。

同性パートナーとの老後を安心して過ごすためには

日本で高齢期のLGBTQ+を支援する団体としては、第1章でも登場したNPO法人パープル・ハンズが有名だ。このNPO法人の事務局長を務める永易至文さんの著書から、同性・両性愛者の方々が抱える不安を見ていく。今回紹介するのは、「ふたりで安心して最後まで暮らすための本 同性パートナーとのライフプランと法的書面」[15]だ。この本には、同性を好きになる人々が抱く老後への不安と、その不安への対策がそれぞれ述べられている。具体的な不安として、以下の5つが挙げられている。

 

・お金の不安

・住まいの不安

・病気、介護の不安(その時のパートナーに対する扱いへの不安)

・高齢独居、孤独死の不安

・死後への不安(財産継承、死後の片付け、お墓)

 

これらの不安への対策として、述べられている事柄を簡潔に紹介する。

「お金の不安」への対策としては、貯金・公的年金について考えることや、高齢期の生活費が現役時代の6〜7割になることを踏まえた収支バランスの再考が挙げられている。また、金銭面だけではなく社会参加の面からも、定年退職後に何らかの仕事を続けることが提案されている。最後の手段として、公的扶助も紹介されている。

「住まいの不安」への対策としては、「持ち家」「賃貸」「サービスつき高齢者住宅」など住まいの形態に合わせて起こりうる事柄が述べられているほか、「LGBT向けグループホーム」といった新しい住まいの形についても説明されている。

「病気、介護への不安(その時のパートナーに対する扱いへの不安)」については、要介護にならない工夫、地域包括センターの紹介、介護保険の仕組みに加え、親の介護についても説明されている。親の介護は自分たちの老後の予行演習であるとした上で、遠距離介護についての心得もまとめられている。また、高齢期に判断能力が衰えた時のために、任意後見契約を結ぶことで「契約家族」のようなものになることができるとも紹介されている。

「高齢独居、孤独死の不安」に対しては、見守りサービスを提案している。高齢者向けの見守りサービスは様々なものがあり、独居の場合だけではなく老夫婦が利用する場合もあるそうだ。

「死後への不安(財産継承、死後の片付け、お墓)」への対策として、遺言作成のコツがまとめられている。信頼性の高い公正証書を作成するのが良く、受遺者とよく相談し、遺留分の知識をつけ、執行人を指定し、付言を書くことも重要であるとのことだ。また、死後事務委任契約や負担付き遺贈についても説明されており、葬儀や埋葬法についても書き留めておいた方が良いと説明されている。

加えて、パートナーと離別することになったときの財産関係の清算条件を事前に話し合っておくことや、トラブルが起こった際には性的マイノリティ向けの法律相談を速やかに利用すべきことも紹介されている。

これらの情報を踏まえ、同性を好きになる人々が加齢に伴って抱く実際の課題や不安にさらに迫る。

 

第3章 「つながり」と「蓄積」の場を(鳩貝啓美さん)

伊藤さんへの取材後、新たな取材協力者を探していたところ、セクシュアルマイノリティ女性に焦点を当てて活動しているNPO法人のホームページにたどり着いた。このNPO法人が、レズビアンや「多様なセクシュアルマイノリティの女性」のための活動を行うNPO法人「レインボーコミュニティcoLLabo」[16]だ。coLLaboでは、「ケアを話す会」などの高齢期を目指した活動もされていることもあり、ぜひ取材をしたいと考えた。

2024(令和6)年8月末に代表理事を務める鳩貝啓美さん(59)への取材を依頼したが、そのタイミングでの取材は叶わなかった。しかし、「セクシュアルマイノリティ女性」を対象として活動しており、高齢期に目を向けている団体が他に見つからなかった。そこで、どうしても取材を諦められなかった筆者は、同年11月頭に再び取材の申し込みをした。取材の目的と法人の活動内容などの確認を経て、2024(令和6)年12月某日、ついに取材が叶った。

取材当日は、世田谷区の男女共同参画センター「らぷらす」[17]の会議室で鳩貝さんと待ち合わせた。coLLaboの活動でもよく利用しているそうで、慣れた様子で部屋の換気をする鳩貝さんの様子が印象的だった。

(世田谷区立男女共同参画センター「らぷらす」での取材に応じてくれた鳩貝啓美さん=撮影:岩味夏海)
(世田谷区立男女共同参画センター「らぷらす」での取材に応じてくれた鳩貝啓美さん=撮影:岩味夏海)

 

鳩貝さんは臨床心理士・公認心理士・社会福祉士の資格を持っており、現在は心理士としてのお仕事とcoLLaboでの活動を両立している。鳩貝さんはレズビアンを自認しており、お付き合いされてからもうすぐ18年になる同性パートナーの方と共に暮らしている。お二人は「結婚の自由をすべての人に」訴訟[18]の東京二次訴訟の原告も務めており、多忙な日々を送っているそうだ。

自己肯定への道のり

鳩貝さんが同性に惹かれている自分に気づいたのは、10歳の時だった。同性のクラスメイトのことを好きになったものの、友達として好きなのか、恋愛的なものなのかはわからなかった。しかし、どこかで同性愛という言葉を聞いたことがあり、その言葉はすごく嫌なものだというイメージが先に入ってきていた。同性愛を調べてみると、「病気」「異常」という言葉が書いてあることにかなりショックを受けた。それゆえ、10代は同性に惹かれる自分に対して、「そんなはずじゃないと自分に蓋をしてきた」という。両親が教育者であり、教育の世界では同性愛が非行として扱われていたことも、自分自身の気持ちを認められない理由の一つだった。大学入学後、19歳で同性の恋人ができた。嬉しい反面、ずっと悩み続けて苦しかったという。恋人とは、恐ろしくて二人の関係について話し合ったことはなかった。しかし、「あなたが男だったらよかったのに」「あなたが男だったら結婚できたのに」と言われたことはあり、鳩貝さんは一人でさらに深く悩むことになった。

自分自身がレズビアンであることを受け入れられたのは、28歳の時だった。同性に惹かれ、異性には惹かれない自分を受け入れられず、男性へ好意を抱こうとしていたこともあった。そのような中で、同性と異性で明らかに好意の持ち方が異なることに気づいてしまい、自分の中で無視をすることもできなくなっていった。「寝てる間に男性になれたらいいのに」と考えていたこともあるという。自分が男性になれば、異性愛者になって悩みが解消されるからだ。一人でずっと思い悩んだ結果、鳩貝さんの心は限界に達し、「なんかもうどうすることもできないや」と諦めの極致に至った。そこから、鳩貝さんは諦めから開き直るかのように、レズビアンであることを受け入れた。25歳頃から徐々にテレビドラマやドキュメンタリーで同性愛者が取り上げられるようになり、同世代の同性愛者が書いた本などに触れる機会も出てきたことが、ホモフォビア(同性愛嫌悪)克服に繋がったのかもしれないと語ってくれた。

二人で健やかに暮らすために

現在のパートナーとは、coLLaboを立ち上げる前に参加していた団体の活動を通じて出会った。現在、パートナーが出社するのは週1回ほどで、鳩貝さんも区内でのお仕事かcoLLaboの活動をする生活を行っているため、平日の半分は一緒にお昼ご飯を食べているそうだ。最近のお二人の流行は、月に一度、自然の中でご飯を食べられる場所に行くことだという。それ以外にも、健康のことを考えて区内や都内の散歩へ二人で出かけたり、一緒に予約して通っている美容院の帰りには歩くようにしたりしているそうだ。2023年には二人でジムへ半年ほど通ってみたものの、二人とも忙しく、定期的に通うことが定着しなかった。鳩貝さんは「なんとかやらなきゃっていう意識を行動に移しただけでもまずは一歩だね」と互いを褒めあっている、と困ったような笑顔で語ってくれた。油ものを取りすぎないことや、体重のコントロールをすることなど、食生活面も意識している。

また、人間ドックの重要性も語ってくれた。鳩貝さんのパートナーは、3年前にがんがあることがわかり、入院生活を送っていた時期があるそうだ。パートナーは病気で大変だったにも関わらず、鳩貝さんが家族として療養に関われるように病院の人に相談をして様々な手続きを踏んでいた。しかし、当時はコロナ禍だったため面会もできず、パートナーは孤独な入院生活を送ることになってしまった。このような経験から、病気の早期発見のために、人間ドックは重要だと感じたそうだ。

コミュニティ内での蓄積を

coLLaboでは、現在みらいふWeb[19]というWebサイトで、セクマイ女性のライフストーリーやセクマイ女性向けの情報を発信しており、初年度は特に女性同士のカップルを多く紹介している。サイト閲覧者も自らのライフストーリーを運営にシェアする(編集部に送ってみらいふWebでの発信候補となる)ことや、それぞれのライフストーリーにコメントを投稿することもできる参加型のサイトでもある。このサイトは、2023年6月にβ版が公開された。鳩貝さんによると、このサイトの立ち上げにあたり、読者を20代、30代の付き合いはじめのカップルやカップルになりたい人だと仮定し、カップルのライフストーリーの発信から始めたという。鳩貝さんは、パートナーができて二人で生きていくようになると、一人で生きているときよりも社会的な生きづらさを意識せざるを得なくなると語ってくれた。みらいふWebでは、社会的な生きづらさを感じている人が他にもいることや、他のカップルの生活を知ることができる。だからこそ、女性同士のカップルや女性を好きになる女性にとって、勇気をもらい、安心できる場所なのだろう。

今後は、カップルだけではなく、一人で暮らしている人や、一人になった人など、より多様なセクマイ女性のライフストーリーを発信していきたいと考えているそうだ。多様なライフストーリーを集めることで、個人の問題ではなく、社会の問題として見るべきことや改善できることが見えてくるのではないかと思っているそうだ。また、様々な失敗体験も発信することによってリアリティにより近づけるのではないかと語ってくれた。

鳩貝さんは「なんか積み重ならないんですよ。それをなんとかしたいなって」と語ってくれた。前に参加していた団体でも、coLLaboでも、リアルで話せるイベントはたくさんやってきた。しかし、イベントの参加者も、彼女たちが持つニーズにも流動性があるため、イベント内で話される内容は同じようなものになることも多々あったそうだ。「リアルだけではできない」からこそ、みらいふWebを、セクマイ女性の成功体験も失敗体験も積み重ねて、次の誰かの参考にできる場、ひいては「社会を変革するためのヒントを得られる場」にしたいと語ってくれた。

高齢期を見据えた協働

「シニア期、結構厳しいっすよね」。鳩貝さんは、coLLaboメンバーの70歳くらいの方が、今年急に調子を悪くされ、社会生活やつながりが一気に狭まるのをそばで見て、そう感じたそうだ。シニア期の中でも、85歳以上になると認知症の可能性や身体的な行動範囲の狭まりがあるため不透明だ。しかし、前期高齢者のうちなど自分自身で動ける段階で、地域単位でのつながりを作り、それを維持・継続できる仕組みが必要だと考えているという。

その一方で、セクシュアリティごとに異なる悩みや課題もあるため、同じセクシュアリティの人々とのつながりも欲しい。そのためには、地域ではなくオンライン上でつながりを探すしかないのではないか、と鳩貝さんは語ってくれた。coLLaboでは、2024(令和6)年も数回オンラインでセクマイ女性向けのイベントを行ったが、アクセス数は芳しくなかった。「どうしたらオンラインで定期的にセクマイ女性が繋がれるのか」を模索しないといけないと考えているという。

このようなつながりを作るためには、他団体と協働した方がよいと感じている。特に、「セクマイ女性の活動を特化してやる必要がある」と認識しているセクマイ女性と協働していく仕組みを作らなければ、と思っているという。また、NPO全体で、協働が求められる時代になってきていることもあり、セクマイ女性団体以外にも、セクマイ女性のニーズに合わせて様々な女性団体と連携していくことも視野に入れているそうだ。

第4章 「ひとり」を考える(矢吹あゆみさん)

鳩貝さんとの取材が決まった後、coLLaboで開催されている「ケアを話す会」について取材したい旨を鳩貝さんへ伝えた。「ケアを話す会」への参加は難しいものの、「ケアを話す会」担当スタッフの方への取材はできるかもしれないとのことだった。担当スタッフの方が現在進行形で介護をしており、その方への取材は実現しなかったものの、「ケアを話す会」に参加したcoLLaboスタッフの方に話をうかがうことができた。その方が、レインボーコミュニティcoLLaboの理事を務める矢吹あゆみさん(39)だ。

(オンラインでインタビューに応じてくれた矢吹あゆみさん=撮影:岩味夏海)
(オンラインでインタビューに応じてくれた矢吹あゆみさん=撮影:岩味夏海)

矢吹さんは男性・女性のどちらともお付き合いされた経験があり、バイセクシュアルだと自認している。現在はお付き合いされている方はおらず、お母様から引き継いだ都内のマンションで一人暮らしをしている。社会福祉士のお仕事とcoLLaboでの活動を両立されているかたわらで、舞台鑑賞や温泉巡りなどの趣味も充実しているという。「実は温泉マイスターも持ってるんです」と語る矢吹さんはとても楽しそうで、日々の生活が充実していることが画面越しでも伝わってきた。

気づきと葛藤の高校時代から自己肯定の大学時代へ

「私、女性も好きなんだな」と矢吹さんが気づいたのは高校生の頃だった。中高大と女子校に通った矢吹さんは、高校2年生の時に学校の友達を好きになった。高校生の間に、同性の友達とお付き合いされた経験もあるという。しかし、当時は同性愛について肯定的な情報はなく、「ホモ」「レズ」というような呼ばれ方があるのみ。そして授業でも同性愛についての話題が扱われることはなかったため、「よくないものだ」という認識をしていた。「自分が男性だったらちゃんと付き合えたのに」と悩み、当時お付き合いしていた相手に「女の子でごめんね」と言うこともあった。

矢吹さんがバイセクシュアルであることを受け入れられるようになったのは、大学入学後に性的少数者のインカレサークルへ参加するようになってからだった。矢吹さんの大学生時代にはまだ性的少数者のサークルは数が少なかったため、「LGBT 大学生」と検索したところ、たまたまそのサークルに出会ったそうだ。サークルの活動としては、ネットの掲示板での交流に加え、月に一度喫茶店でお茶会が開かれていた。このサークルで仲間と交流を深める中で、自分自身のセクシュアリティを肯定できるようになったという。

 

40代を前に感じる不安は

「50代、60代になった時に大丈夫かなって」。矢吹さんは、一人暮らしをされている中での不安をいくつか語ってくれた。矢吹さんの現在の住まいは、かなり坂が多い場所にあり、駅までも15分ほど歩く必要がある。この住まいはお母様から引き継いだ持ち家で、簡単には引っ越すことができない。このようなことがあり、今後年を重ねたときのことを考えると不安だそうだ。

もう一つは、金銭面の不安だ。矢吹さんによれば、福祉のお仕事のお給料はそもそもあまり高くなく、ボーナスがないことも多いという。また、多趣味であるがゆえに、なかなか貯金ができておらず、資産の運用などについてもまだあまり考えられていないそうだ。

「孤独」じゃなくて「孤高」に生きる

矢吹さんは、2024(令和6)年11月にcoLLaboのプログラムとして「みらいふプロジェクト『おひとり編〜自分らしく生きるための実践術〜』」を主催した。現在はパートナーと生活している方でも、どちらかは先に亡くなり、一人になることが考えられる。そこで、現在一人暮らしをされている方だけではなく、現在パートナーがいる方も対象に、「一人になった時にどう過ごしたらいいのか」を考える会としてこのプログラムを開催した。この会に興味を持たれた方や参加者の方は、40代〜50代が中心だったそうだ。この会は、矢吹さんを含む5名の参加者の方々が互いに意見を交換し合う形で進められた。その中では様々な悩みが共有され、「倒れたときどうしよう」「お墓はどうする?」など複数人で共通する悩みもあった。だからこそ、性的少数者同士の繋がりが大事だと思っているそうだ。矢吹さんは、「孤独じゃなくて孤高に生きることができたらいいですよね」と語ってくれた。

「ひとり」はみんなに訪れる

矢吹さんが「おひとり編」開催を通じて感じた課題がある。それは、パートナーと生活している人は、まだ一人で生きることをあまり考えられていないということだ。今回の「おひとり編」参加者5名の中で、現在パートナーがいる方は1名のみだった。パートナーがいる方は、「2人の老後」をどうしようかということについては考え、話し合う。しかし、1人になったときのことはまだ考えられていないのではないかという印象を受けたそうだ。矢吹さんは、同性カップルだけではなく、男女のカップルにとっても重要だと感じ、「みんなが自分ごととして考えた方がいいのかなって思ってます」と語ってくれた。

 

 

おわりに

今回のルポでは、同性を好きになる人の加齢とそれに伴う不安について、当事者の方に取材した。どの方も、自分自身のセクシュアリティと向き合ってきた経験を基礎として、同じセクシュアリティや同じジェンダーの性的マイノリティの方々のための活動を行っていることが、お話から伝わってきた。ジェンダー・セクシュアリティに関係なく老後への不安は抱くことになる。それに加え、同性・両性愛者の人々は同性を好きになる人特有の老後への不安も抱くこととなる。そのなかでも、自分らしく生きるため、パートナーと安心して暮らすために、準備やその手助け、経験を共有し合うことが必要になる。そのための場として、ジェンダー、セクシュアリティを超えた地域でのつながりも、同じジェンダー、セクシュアリティの人同士のつながりも構築していくことが重要だということが、今回の取材を通して明らかになった。

矢吹さんは「愛があればなんとかなる、そんなわけない」と取材の終盤に語ってくれた。愛があったとしても、法的には認められない同性パートナーとの関係には社会的な保障がないためだ。矢吹さんのこの言葉は、このルポで伝えたいことを象徴しているように感じた。なぜなら、この言葉は同性パートナーとの関係だけではなく、異性パートナーとの関係、そして「ひとり」の生活にも関係してくると考えられるためだ。婚姻制度で社会的に保障される異性パートナーたちも、「愛」だけでは安心して最後まで暮らすことはできないだろう。そして、「ひとり」で暮らす場合にも、自分や他のものに対する「愛」だけでは安心して老後を迎えられないだろう。老後をともに過ごす人の有無に関わらず、元気なうちに老後への備えをすることが安心して老後を迎えるために必要となるのではないだろうか。

[1] 「レズビアン」は性自認と性的指向がどちらも女性であるセクシュアリティを指す。

「ゲイ」は性自認と性的指向がどちらも男性であるセクシュアリティを指す。

これら2つのセクシュアリティはいずれも同性を性的指向とするため、日本語では同性愛者と呼ばれることもある。

「バイセクシュアル」は性的指向が男性・女性の両性であることから、日本語では両性愛者と呼ばれることもある。

[2] この記事では、同性愛者・両性愛者の方を取材対象としている。今回トランスジェンダーの方を取材対象としなかったのは、ここ数年の日本では、トランスジェンダーへの過激な発言・議論が散見されており、安心・安全に取材を受けていただける状況を徹底することが難しいと判断したためだ。

[3] 「結婚の自由をすべての人に」訴訟は、法律上の性別が同じカップルが結婚できないことが憲法違反だと正面から問う、日本で初めての訴訟

https://www.marriageforall.jp/plan/lawsuit/

[4]NPO法人パープル・ハンズ HP  http://purple-hands.net/

「性的マイノリティや多様なライフスタイルを生きる人びとの、学び合い、仲間作り、相談・コンサルティングと、高齢期も助け合うコミュニティ作りを目指すNPO」を謳い、電話・対面相談をはじめとした活動を行っている。

[5] https://sukotan.jp/

[6] 「すこたん企画」に始まり、「すこたんソーシャルサービス」を経て現在の「すこたん!」となった

[7]  1969年に起こったゲイ解放運動が広がるきっかけとされる「ストーンウォール事件」を記念するパレード

https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/glossary/sa/1.html

[8]厚生労働省は「医療・介護事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」の「5. 家族等への病状説明」において、本人の同意の上で、「本人以外の者に病状説明を行う場合には、(中略)現実に患者(利用者)の世話をしている親族及びこれに準ずる者を説明を行う対象に加え」ることができると述べている。すなわち、親族以外でも、患者本人の世話をしている者であれば、病状説明を聞くことができるということである。

患者本人の同意の上で同性パートナーを診察・入院の付き添い者として指定できない場合には、病院の規則が問題ということになる。

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000911083.pdf

[9] 各自治体が同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認め、証明書を発行する制度。

https://lgbt-japan.com/partnership/

[10] 私人(個人又は会社その他の法人)からの嘱託により、公務員である公証人がその権限に基づいて作成する公文書のこと。公証人が当事者の嘱託により作成した文書には、公正の効力が生じ、反証のない限り、完全な証拠力を有している。

https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow01

[11] ひとりで決められるうちに、認知症や障害の場合に備えて、あらかじめご本人自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度。

https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/optional_guardianship/

[12] 「性のあり方に関わらず、誰もが結婚するかしないかを自由に選択できる社会の実現」を目指して、「結婚の自由をすべての人に訴訟」や国会議員への働きかけなどの活動をしている。

https://www.marriageforall.jp/

[13] 「LGBTと、いろんな人が、いっしょに楽しめる未来へ」をコンセプトに活動するNPO法人

[14] 認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ(2023). LGBTQ+当事者の老後の不安に関するアンケート調査 〜誰もが安心して過ごせる老後を目指して〜

https://pridehouse.jp/assets/img/handbook/pdf/Research_on_Post-Retirement_Insecurity_for_LGBTQ+_People_240326web.pdf

[15] 永易至文. (2015年). ふたりで安心して最後まで暮らすための本: 同性パートナーとのライフプランと法的書面 / 永易至文著. 太郎次郎社エディタス.

[16] https://co-llabo.jp/

[17] https://laplace-setagaya.net/

[18]法律上の性別が同じカップルが結婚できないことが憲法違反だと正面から問う、日本で初めての訴訟

https://www.marriageforall.jp/plan/lawsuit/

[19] https://miraifu.co-llabo.jp/

 

参考文献

Equal Marriage Alliance(2022)「NPO法人EMA日本」http://emajapan.org.

Ohmori, I., & AMAKAWA, A. (2019). 同性婚は日本で容認されるか?: 他国の同性婚容認を参考に. Bulletin of Graduate School of Education, Okayama University, 172, 49-56.

MARRIAGE FOR ALL JAPAN(2022)「世界の同性婚」https://www.marriageforall.jp/marriage-equality/world/.

カンテレ. (2022). 『カノジョと私の家族のカタチ』(第31回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品)

北島洋美, & 杉澤秀博. (2022). 性的マイノリティ (LGB) 高齢者の主観的生活課題. 老年社会科学, 44(3), 242-255.

北島洋美, &杉澤秀博. (2018). 性的マイノリティが抱く高齢期についての不安. 老年学雑誌, 8, 51-66.

すこたんソーシャルサービス.(2024).「講師紹介」https://sukotan.jp/speaker

特定非営利活動法人パープル・ハンズ.(2016).『介護や医療、福祉関係者のための 高齢期の性的マイノリティ理解と支援ハンドブック』http://purple-hands.net/pdf/handbook-web.pdf

永易至文. (2015). ふたりで安心して最後まで暮らすための本 : 同性パートナーとのライフプランと法的書面 / 永易至文著. 太郎次郎社エディタス.

西村圭司. (2023). 日本の性的マイノリティの高齢期における諸課題の整理. ライフデザイン学研究, 18, 341-359.

認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ(2023). LGBTQ+当事者の老後の不安に関するアンケート調査 〜誰もが安心して過ごせる老後を目指して〜

 

このルポルタージュは瀬川至朗ゼミの2024年度卒業作品として制作されました。