若者はなぜ選挙に行かないのか ― 教育現場から考える


はじめに

「日本に住む学生は政治に無関心なのではないか」

この疑問を抱き始めたのは、私が高校1年生の時だ。留学で訪れていた南太平洋に浮かぶニューカレドニアでは、フランス本土からの独立運動が盛んに行われていた。独立デモには学生も参加し、留学先の高校で行われることもあった。同年代の学生が積極的に政治・社会に参画している姿は、日本の学校では今まで見たことがない光景であり、今でも強く印象に残っている。

日本では近年、若者の政治離れを懸念する声が多い。国政選挙での投票率は、年々右肩下がりに減少しており(図1参照)、特に20代、30代の投票率は30%〜40%台と低迷していることからも如実に表れている[1]。2015年6月に成立し、2016年6月に施行された公職選挙法等の改正により選挙権年齢が18歳に引き下げられたが、先の衆議院選挙(2024年10月27日)では、18歳・19歳の投票率は43.06%と全体投票率の53.85%を大きく下回っている[2]。これらのことから、「少子化の影響もあり、ますます若年層の意志が政治に反映されなくなる」という政治の高齢化、シルバーデモクラシーを指摘する意見も見受けられる。

図1:衆議院議員総選挙における年代別投票率の推移(総務省公式ホームページより引用)
図1:衆議院議員総選挙における年代別投票率の推移(総務省公式ホームページより引用)

一方で、自民党の麻生太郎議員は「政治に関心を持たなくても生きていけるというのは良い国です。考えなきゃ生きていけない国のほうがよほど問題なんだ」と講演内で語った[3]。紛争地域では、生活するために政治に関心を持たざるを得ないが、日本は政治に関心を持たなくても平和に暮らせるからだとした。私自身も含め、小中学校では学校行事・部活動・習い事など社会に関心を持つこととは無縁の生活を過ごした学生は多いかもしれない。公民の授業にしても、私自身、社会で起きていることに目を向けることなく「衆議院の議席はいくつで~、日本は議院内閣制で~」など、仕組みについてしか学んでこなかった。麻生議員が言うように、幸か不幸か、「学生と政治の距離が遠く、接点を持ちづらい」ことが日本の現状なのかもしれない。

ただ、いざ学生が社会人になった時、唐突に政治・社会について関心を持てというのは酷な話ではないだろうか。国民の権利の一つに参政権がある以上、学校教育で学ぶべき素養の一つであることは間違いない。では、教育現場ではどのような政治に関する教育が行われているのか、疑問に感じるようになった。政治教育とは何か。日本では政治・社会参画に向けて、どんな課題があり、どう克服していくのか。今日の政治教育の現場に立つ人々から話を聞き、考える機会にしたい。(文・写真=大久保南)

 

第1章 政治教育について

政治教育とは何か

そもそも政治教育とは何を指すのか。昭和22年(1947年)に公布・施行された教育基本法第八条(2006年に改正され、現在は第十四条)では、「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」こと及び「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」と2項で定められている[4]。第1項では、政治的教養を尊重する一方、第2項で政治的中立性を確保しようとするものになっている。戦後に制定された方針ではあるが、今日においても、この条項は政治教育における指針になっている。

平成28年(2016年)に公職選挙法の改正により、選挙権が20歳から18歳に引き下げられたことを受け、主権者教育(シティズンシップ教育)が推し進められるようになった[5]。総務省では、主権者教育を「国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動していく主権者を育成していくこと」と定めている[6]。当事者意識を持って社会に参画する素養を養うことを目的としている。文部科学省の調査によると、高校3年間で主権者教育を実施した、実施予定の高校は対象となった1306校中1239校(94.9%)であり、ほぼ全ての高校で主権者教育が実施されている。(図2参照)平成28年、令和元年にも同様の調査が行われ、いずれも95.6%、94.4%と高い水準で推移しているといえる。

図2:第3学年に対する3年間の主権者教育の実施状況(文部科学省「令和4年度主権者教育(政治的教養の教育)実施状況調査報告書」、p10より引用)
図2:第3学年に対する3年間の主権者教育の実施状況(文部科学省「令和4年度主権者教育(政治的教養の教育)実施状況調査報告書」、p10より引用)

 

出前授業の実施

平時の授業だけでなく、選挙管理委員会やNPO法人などの団体による出前授業によって、主権者教育が推し進められてきた。出前授業では、模擬選挙やグループワーク、クイズ形式の授業などを実施している。選挙年齢が引き下げられた平成28年度(2016年度)には選挙管理委員会による出前授業の実施学校数は1888校まで増加したが、その後は徐々に減少している。(図3参照)

 

グラフの推移を見ると、選挙管理委員会による実施校数が全体の20%〜30%で概ね安定しているといえる。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、令和2年度(

図3:高校における出前授業の実施学校数(総務省「選挙管理委員会による主権者教育等に関する調査の結果」及び「令和5年度選挙管理委員会による主権者教育等に関する調査の結果」に基づき作成)
図3:高校における出前授業の実施学校数(総務省「選挙管理委員会による主権者教育等に関する調査の結果」及び「令和5年度選挙管理委員会による主権者教育等に関する調査の結果」に基づき作成)

2020年度)には大きく数字を落としたが、以降はコロナ禍前の水準に戻りつつある。

出前授業の実施ができなかった一番の理由は、学校からの応募がないことである[7]。選挙管理委員会に出前授業を依頼せずとも、主権者教育を実施している学校もあるといえる。9割を超える主権者教育の実施状況を鑑みると、今日の主権者教育は、平時の授業が基本であり、学校・自治体によって出前授業を実施していると考えられる。

 

第2章 「選挙を伝える」――神奈川県選挙管理委員会による県立茅ケ崎支援学校での出前授業の取材

2024年12月11日、JR相模線香川駅から国道1号線沿いを歩いていた。初めて訪れた土地であり、時折姿を見せる富士山にわくわくしながらシャッターを鳴らしていると、神奈川県立茅ケ崎支援学校が見えた。この日、私は神奈川県選挙管理委員会による出前授業に同行した。

前章では、選挙管理委員会による出前授業の概要について述べたが、本章では、出前授業の実態に迫る。

写真1:神奈川県立茅ケ崎支援学校の校門=大久保南撮影
写真1:神奈川県立茅ケ崎支援学校の校門=大久保南撮影

 

神奈川県選挙管理委員会の概要

神奈川県選挙管理委員会は、国政や県政の選挙の管理執行や選挙の啓発、政治資金規正法に基づく事務を行っている。出前授業の実施もその一つである。前年度は実施校数が4校であったが、ホームページ開設を機に、2024年度は7校と、前年度に比べ出前授業の依頼が倍増したという。10日ほど前に出前授業への同行を依頼したところ、今回の出前授業のことについて教えていただき、学校側への連絡をしていただいた。今回の出前授業は、県の選管として初めての特別支援学校での出前授業であり、県職員4名と学生スタッフ2名によって行われた。

 

実践を意識して、選挙を伝える

学校の待合室を出て、県職員の方々とともに広々とした体育館に入ると、パイプ椅子が並べられ、100人にも迫るほど大勢の生徒、先生方が整列し着席していた。クラスだけでなく複数の学年の生徒が参加しているようだ。体育館の両端に、記載台と投票箱の投票スペースがそれぞれ設置されている。

舞台上のスクリーンには、「選挙のことを知ろう」と大きく投影されている。2限と3限の1時間半程が、出前授業に充てられた時間だ。県職員の今道泰斗さんを講師に、出前授業が行われる。

どのようなことを意識して出前授業を行っているのか。授業の開始前に今道さんに尋ねたところ、「私たちは先生ではないので、学校の社会科で教わる授業は行わない。より実践的な授業を通して、選挙を知ってもらいたい」と話した。

2限の時間になると、今道さんは選挙のことについて話し始めた。投票ができる年齢や投票所入場整理券など選挙に関するクイズには、大勢の生徒が参加した。中には、選挙当日に朝一番で並び、行われるゼロ票確認に密かな人気があるなど、豆知識も話された。

終盤には、代理投票に関する説明が行われた。「支援学校に通う子どもの中には、代理投票の制度が役に立つ人も多いだろう」と、授業前の今道さんの言葉を思い出した。多くの生徒がこぞって手を挙げ、代理投票についてだけでなく自身の不安について質問した。生徒たちのことをよく考え、選挙への不安や疑問を取り除きたいという気持ちが、スライドからも見て読み取れるものだった。

写真2:体育館で出前授業を行う今道さん=大久保南撮影
写真2:体育館で出前授業を行う今道さん=大久保南撮影

 

模擬投票を通じて

講義を終え、10分間の休憩を挟んだ後、模擬投票が行われた。まず、県職員と学生スタッフの3人を候補者に見立て、選挙演説が行われた。時間割の自由化や文化祭の日数増加、給食への感謝を伝えるなど、学校生活に関する身近なテーマが公約に掲げられている。

選挙公報は、校則や町づくりなど、学生に近い話題を考え、作っているという。公約の題材に関して、学生スタッフとも意見を交え、より生徒の目線に近いものにするよう心がけていると、今道さんは話した。「より生徒が模擬投票に関心を寄せられるように、学生スタッフの方々も交えて選挙公報を作っています」。

候補者との質疑応答を終えた後、模擬投票が始まった。先生方の誘導に従い、クラスごとに記載台へと向かう。体育館左の投票スペースでは、車椅子の生徒が投票を行っていた。記載台の高さが、右側のものと比べ、一段低く設定されていたのが印象的である。「実際の選挙でも、3か所ほどに分け、記載台や投票箱の高さを調整している」と県職員の関さんは話した。

茅ケ崎支援学校は、コロナ禍を除いて毎年、茅ケ崎市の選挙管理委員会に選挙出前授業を依頼していた。当校の教員である山道さんは、学習指導要領に沿って、年に数回ほど選挙体験の授業を行っていると話した。翌年には、参議院選挙もあり、生徒の中には選挙権を有する予定の生徒もいる。あくまで選挙に行くかは個人の自由だ。しかし、この出前授業を通じて、参加した生徒たちは選挙への臨み方を知ることができたはずだ。

写真3:体育館右、模擬投票を行う生徒たち=大久保南撮影
写真3:体育館右、模擬投票を行う生徒たち=大久保南撮影

 

第3章 若者と政治をつなげる――NPO法人Mielkaの取り組み

第2章で公的機関の神奈川県選挙管理委員会について扱った。投票のルールや模擬投票など、選挙当日を見据えた内容になっていると感じ取れた。平時の授業に加え、出前授業のような選挙体験を通じて社会参画への素養を育む。これが、今日の政治教育の一つの形だといえる。では、この政治教育にはどのような課題があるのか。3章と4章では、NPO法人と教職者、この問いについてそれぞれ迫っていく。

 

NPO法人Mielkaについて

NPO法人のMielkaは、若者×政治をテーマに2016年に発足した関西発のNPO法人である。「若者と政治の見える化」という理念のもと、社会や政治のことを「じぶんごと」として身近に考えてもらうため、教育事業、エンタメ事業、ラボ事業の3つの活動に取り組んでいる。中でも、教育事業部は中学高校といった教育現場に赴き、シティズンシップ教育を実施している。オンライン取材を通じて、教育事業に携わる石川朝陽さん、楠本脩馬さん、加藤麟太郎さん、小林厳太郎さん、三宅桃花さん、5人の学生に取材を行った。

Mielkaによる出前授業は、学校側から依頼を受けることで始まる。授業内容は、学校側の要望だけでなく、学校の特色・地域課題・生徒の関心などヒアリングを徹底したうえで作っていく。Mielkaに所属する大学生による授業のため、生徒に近い目線に立って、社会参加する姿勢を伝えることを意識していると、三宅さんはきっぱりした口調で語った。「教科書をなぞるような授業は求められていないし、提供しようとも思っていません。私たちは大学生であり、生徒と同じ年代です。(出前授業など)こうした活動を通して、実際に社会や政治に関わり、行動している。参加した生徒の方々には、市民として社会に参加する姿勢を感じ取ってもらうことを目指しています」。

 

「政治の見方」を伝える、Mielkaの取り組み

近年国政選挙の投票率は右肩下がりであり、若年層になるにつれ投票率が低くなっている。「若者の政治離れ」が注目されている中、学生との交流で実感することはあるのだろうか。

三宅さんは、「若者の政治離れというよりそもそも政治を見るということができていないのでは」と話した。「学生の多くは、『今、問題なく生きているから政治を考えなくてもいい』という考え方を持っていると思う。けど、アルバイトの最低賃金や通学時に利用するバス・電車の公共料金は政治と関わっている。そういった話をすると、納得して気づいてくれる子も多い。政治との関わりを見る機会が提供されていないと実感しています」。

たしかに、社会・政治に関心がなくとも、親の保護下で自由に日常生活を過ごす学生は多い。「はじめに」で取り上げた麻生議員の発言の通り、日本の学生は政治に関心を持たなくても平和に暮らせるからこそ、「政治の見方」が養われていないのかもしれない。

だからこそ、石川さんは主権者教育を実施することで、生徒全員に社会について考えられるような授業を実施することを大切にしている。「若者の政治関心って家庭や環境によって人それぞれかなと思っていて、若者の政治離れという認識ではないです。むしろ、主権者教育によって、平等に政治に関心を持てる授業を提供したい。政治を通じてさまざまな問題が解決できることを伝えたい」。

Mielkaでは、出前授業の中で「政治と生活を結びつける」ことを意識している。アルバイトや進路など、学生にとって身近な話題を切り口に、「政治の見方」を提供する授業を推進していきたいという。学生であっても市民の一人であり、政治や社会と関わりがあると気づくことが、社会に参画するきっかけになる。

 

中立性の担保、政治教育の難しさ

先にも述べたように、政治教育は教育基本法八条に2項で定められている。特に、第2項の政治的中立性を注視する声は多い。文部科学省の調べでは、2022年7月に実施された参議院選挙を題材に指導した学校は44.9%とおよそ半数であった[8]。実際に行われた選挙を教材として取り扱うかは半々であり、学校ごとに政治的中立性に対する認識が異なっているといえる。

Mielkaが出前授業を行う際にも、時には政治的中立性を求められることがあるという。石川さんは、「具体的な政党名を出されると困ると考える学校も多い。生徒から特定の政党や主張に対する言及があった際、『先生がその話に関与すると政治的中立性の観点から危ういのでは』と懸念を持たれている」と話した。

また、学校側だけでなく同じく出前授業を行う選挙管理委員会も政治的中立性を意識しているという。以前、石川さんが選挙管理委員会と共同で授業を行った時、選挙管理委員会側から具体的な政党名を避けるよう要望があり、架空の政党・公約を用いて模擬選挙を行った。実際、選挙管理委員会による模擬投票のテーマとして、高校ではおよそ7割が架空の政党・候補者を取り扱っている。(図4参照)対照的に実際の選挙を題材にした模擬投票は、4.1%と取り扱う学校・選挙管理委員会が少ない。大半の教育現場で、実際の政治的事象を取り扱えていないのが現状である。

図4:選挙出前授業での模擬投票テーマ(総務省「令和5年度 選挙管理委員会による主権者教育等に関する調査」に基づき作成)
図4:選挙出前授業での模擬投票テーマ(総務省「令和5年度 選挙管理委員会による主権者教育等に関する調査」に基づき作成)

Mielkaの副代表理事を務める楠本さんは、「教師側が政治教育に対して明確な答えを持っていない」と感じており、その理由の一つに教師が中立性に敏感であることを挙げた。「Mielkaを(教師と生徒の)間に挟むことで、『踏み込んだ質問をする生徒に対して、Mielkaのメンバーに回答してほしい』というニーズがあるのではないかと感じている」。

 

学生と政治を近づけるには、教育現場に求められること

続けて、楠本さんは、政治教育に対して明確な答えを持てない理由に、数値として効果的な教育方法を研究することが難しいと冷静な口ぶりで語った。「倫理的な問題から、『グループAにはこういう教育を施して、グループBには施さない』というような追跡調査はできません。『数値として確実に効果が出るよね』という明確なものがないため、予算を出せず動きづらいんじゃないかなと思います」と自身の見解を話した。

主権者教育に明確な答えが見つかっていないにせよ、その重要性は周知の事実として認識されている。「もちろん、『こんな授業をしたい』という教師の方々もおられるんですけども、その一方で要望はないがなにか必要性だけは感じていて依頼していただく方々もかなりいるというのが現状だと思います」。楠本さんは、学校がMielkaに出前授業を依頼する背景を指摘した。政治的中立性への意識に加え、具体的な主権者教育のビジョンを描けていない学校も少なくないのかもしれない。

では、教育現場に求められることは何か。三宅さんは、学校側が主権者教育を継続的に行っていくことが必要だと話した。「私たちが授業を行うときは、総合の時間や探求の時間に1回ぽっきりで行うことが多い。ではなく、継続的にできるような枠組みが必要なのかなというふうに思います。公共の授業なども始まっていますが、広く社会を捉える視点を養えているかどうかまだ判断しきれない部分だと思うので、冷静に見極めていくことが大事なのかなと」。

同時に、より実際の学生と政治の距離を近づけるため、具体的な政治事象に触れ、学校を超えた教育が必要だと強調した。「例えば、町の課題や議会で議論されていることを取り上げる授業が増えれば、『そこに行ってみよう』、『自分で調べてみよう』となると思います。公職選挙法や衆議院、参議院のルールなどの知識を超えた教育が必要だと思いますし、その手段として私たちのような外部団体を積極的に活用してもらいたいです」。

主権者教育はどういった教育なのか。政治の話題を取り上げることは、政治的中立性に懸念があるのではないか。このような課題が、Mielkaの目に映っていた。学校の枠を超え、継続性をもって今の社会課題を取り上げる授業ができるかが、教育現場に求められる課題だ。

 

第4章 小さな成功体験から――林大介准教授への取材

先にも触れたとおり、主権者教育の目標は、当事者意識をもって社会参画する素養を養うことである。その延長線上に、選挙への参加がある。選挙年齢である18歳に達した学生が、問題なく選挙に参加できること、これこそが主権者教育を推し進めた理由の一つであることは間違いない。

では、主権者教育はどのような教育のあり方なのか。全国の学校を回り、模擬選挙などに取り組む、浦和大学社会学部准教授の林大介さんに取材を行った。

写真4:今回取材を受けてくださった林大介さん=大久保南撮影
写真4:今回取材を受けてくださった林大介さん=大久保南撮影

 

高校時代に出会った「子どもの権利条約」

林さんは、これまで子どもの権利保障や意見表明・参加の活動に携わり、模擬選挙の実施を通じて主権者教育に取り組んできた。2015年に文部科学省・総務省によって公表された、高校生向け政治教育教材「私たちが拓く日本の未来」の作成にも携わった。

今日の「子どもの権利」に関する活動を行うきっかけになったのが、高校生だった1993年に子どもの権利条約についての展示発表を行ったことだったという。子どもの権利条約[9]とは、「世界中すべての子どもたちがもつ人権(権利)を定めた条約」であり、1989年に国連総会で採択された。当時、日本はこの条約に批准しておらず、「子どもが意見を言うことを権利として保証する、こういうことをもっと日本の中でも広めていくことが大事だ」と思ったことが原点だと話した。

主権者教育の教材作成にも携わり、自身も模擬選挙などの活動を行う林さん。選挙年齢の引き下げに伴い、どのような教育改革を目指したのか。そして、今日の教育現場における課題は何なのか。

 

1969年通知、政治から遠ざかる学校

選挙年齢が18歳に引き下げられ、主権者教育の導入が進んだ2016年まで、文部科学省は学校内での政治教育について否定的な立場にあったと指摘する。「1960年代の安保闘争で、反対運動が大学のみならず、高校や中学にも持ち込まれ、中高生が参加することがあった。そのことを受けて、1969年に学校の中に政治を持ち込むことをやめようという通知が文部科学省から出された」。

1969年に出された「高等学校における政治的教養と政治的活動について」[10]では、生徒が沖縄返還や安保闘争の問題について、集会やデモ行進に参加することや、政治的背景から授業妨害や学校閉鎖が起きていることを指摘している。未成年者に参政権が付与されておらず、民事・刑事上で成年者との扱いの違いなどの理由から、「国家・社会としては未成年者が政治的活動を行なうことを期待していないし、むしろ行なわないよう要請しているともいえる」としている。未成年者である高校生に対して、「生徒の政治的活動が教育上望ましくないことを生徒に理解させ、政治的活動にはしることのないようじゆうぶん指導を行なわなければならない」と、政治活動の禁止を明言している。未成年である学生の政治活動を問題視し、政治との距離を遠ざける通知であったといえる。

 

主権者教育の導入と進まぬ背景

潮目が変わったのは、2015年に成立した18歳への選挙権年齢の引き下げだ。「18歳の高校生が存在する中、高校3年生で政治にかかわっちゃいけないというのは整合性が取れない。なので、69年通知を取り下げて、2015年に新たな通知[11]を出し、高校生が社会や政治に関心を持つことが期待された」と、スタンスの転換を説明していただいた。

主権者教育を目指す政治教材、「私たちが拓く日本の未来」は選挙の歴史や方法、意義だけでなく、ディベート、模擬議会といった実践的な学習の手引きになっている。「従来の公民や政治経済と同じ内容では意味がない。(模擬選挙や模擬議会など)実際に世の中で行われていることを、中高生が模擬的に『自分が役割を担って体験してみよう』ということが取り扱われています」。教材作成に大きく携わった林さんは、教材の内容と狙いについてそのように話した。

図5:高校生向け副教材「私たちが拓く日本の未来」(総務省「主権者教育の取り組み状況等」から引用)
図5:高校生向け副教材「私たちが拓く日本の未来」(総務省「主権者教育の取り組み状況等」から引用)

一方、主権者教育の推進以上に若年層の投票率増加が目的になっている側面もあるという。先にも述べた通り、国政選挙における20代、30代の投票率は30%〜40%台と低迷し、主権者教育を受けたであろう10代の投票率も40%台と平均を大きく下回っている。「総務省としては、いかに若い人が投票に行くかが至上命題になっている。主権者教育と言いながら、結局は選挙教育とか投票方法学習に留まっている。そういった状況が10年近く続いてしまっている」。候補者の選び方や、課題の捉え方を教える機会が十分に提供されていないと強く主張した。

また、「現場も手探り状態が続いているのではないか」と十分なノウハウが確立していないことを指摘する。新たな取り組みということもあり、生徒が様々な意見を発信することで、風紀が乱れ、収拾がつかなくなる不安もある。「主権者教育を学べてない生徒が、今先生になっているので教えたくても教えられないというのはあると思う。初めてのことだと不安にもなるし、政治のことになるとなおさら。『批判を浴び、糾弾されるくらいならやらない方がいいんじゃない』となるのは気持ち的にはわかる」。2015年の通知では、現実の具体的な事象を取り扱うことを明記している[12]。ノウハウだけでなく、教育方針さえも教育現場に共有できていないのかもしれない。

18歳選挙権の導入を受けて、政治教育が見直された。一方で、投票率の低迷の煽りを受け、内容が投票方法のみになっている。このことが、今日の主権者教育の課題の一つだと言えそうである。

 

子どもが安心して発言できる環境を目指して

では、主権者の素養を育む教育はどのようなものなのか。どのような教育が理想になるのか。林さんは、「社会科だけが担当する科目ではない」と強調し、学校生活そのものを通じて育むことが必要だと話す。「社会の中で生活する1人として、考え、意見交換をし、発信することが大事だと思うんですね。例えば、学校生活だと、生徒会活動をはじめとする生徒自治こそが、学校の主人公として行事等を運営するということをやっていけばいいと思います」。

他方、学校内では大人の論理が働くことも多い。ブラック校則など、生徒の不満の声が先生の意見に握り潰されてしまうことが挙げられる。先生が生徒のためを思って行動していたとしても、時代がどんどん変化する中で生徒にしかわからないことも当然ある。「校則や校内設備に対し、学校を利用する生徒がどうしたいかを聞くべきだし、反映させるべきだ。反映できないなら、なぜ反映できないかをきちんと説明されるべきだと思うんですよね」と熱を帯びた口調で語った。

自らが意見を言い、環境をより良く変えられるかどうか。そして、安心して意見を発信できる環境にあるかどうかが重要だと取材中に繰り返し強調し、話した林さん。政治のこと以上にまず生徒にとって身近なところで意見を持ち、変えることができたという成功体験が必要だという。政治教育に限らず、学校の風土そのものを生徒の主体性を尊重したものに変えていけるかが、若年層の積極的な社会参画において重要になってくる。

 

「自分で考える」、模擬選挙に求める役割とは

先にも述べたように、林さんは現在も全国の学校を回り、模擬選挙の実施を通して主権者教育に取り組んでいる[13]。模擬選挙では実際の政党、問題を取り扱い、学生にとって関心の遠い選挙や政治を学ぶ機会を作る。政治に関する話題においても、「子どもが安心して発言できる」ことを意識し、そのことを訪れた学校の先生にも伝えているという。「学校では、先生と生徒で立場に違いがある。先生が意見を言うことで、生徒を圧倒してはいけない。それぞれの政党の考えをきちんと扱い、生徒へ判断材料を示すことを意識しています」。

また、林さんは「政治的中立性としても大事である」と指摘したうえで、改めて多角的に判断材料を示すことが先生の役割だと述べた。「文部科学省の通知やドイツのボイテルスバッハ・コンセンサス[14]にも書かれている。要は、教員が生徒を圧倒せず、現に扱われる社会課題は教室でも扱う。憲法改正反対の話だけをするのではなく、賛成派の意見や別の見解も話すことが必要です」。

ほとんどの選挙管理委員会では、架空の政党・候補者を模擬選挙で扱っている。ただ、選挙の公平・公正を担う立場や、選挙啓発という役割もある。だからこそ、「どうやって候補者を選ぶのか」を教えるのは学校の役割であり、主権者教育で取り扱われるべきだ。具体的な政治事象を扱った模擬選挙の普及が、停滞する主権者教育を推し進めるだろう。

 

第5章 投票率大国スウェーデンと比較して――渡辺博明教授への取材

3、4章では、日本の政治教育の現状と課題について取材を行ってきた。教育現場には、依然として政治を避ける雰囲気が残るものの、「政治を見る目」を養うことや、「子どもが安心して意見を言う場」を整えることなど、生徒の主体性を育む活動が行われていることが取材から分かった。

ただ、いずれも日本の教育を行っている「内」からの視点であり、「外」からはどのように評価されているのかが気になった。特に、若年層への政治教育に熱心に取り組む国と比較し、日本の教育環境をどう捉えることができるのか。最後に、投票率の高いスウェーデンの政治教育に迫り、改めて日本の主権者教育について考える。

北欧の政党政治や社会政策の研究を行いつつ、スウェーデンの主権者教育にも詳しい龍谷大学の渡辺博明教授にオンラインで取材を行った。

 

スウェーデンの概要

スウェーデンは人口1000万人程の北欧の小国であり、その充実した社会保障から、一般に「高福祉・高負担」の福祉国家として知られている。比較的高い税金や保険料によって、大学を含む高等教育の無償化や自己負担の少ない医療費などの福祉サービスが支えられている。

多くの国民が政治参画をするのも特徴の一つであり、過去50年間、国政選挙での投票率が80%を下回ったことがない(図6参照)。ベルギーやオーストラリアのように、投票をしなかった国民への罰則は一切なく、世界的にみても最高水準の投票率である。また、若年層の投票率も高く、18~29歳の投票率は2018年が86%、2022年が82%[15]と、国内の全体平均には劣るものの、諸外国と比べ高い水準を維持しているといえる。

図6:1970年から2022年までのスウェーデンの国政選挙の投票率の推移(統計調査データプラットフォームStatistaより引用)
図6:1970年から2022年までのスウェーデンの国政選挙の投票率の推移(統計調査データプラットフォームStatistaより引用)

この高い投票率は、様々な施策・制度によって支えられている。スウェーデンにおける選挙は4年に一回、9月の第2日曜日に定められている。国政選挙、日本でいう都道府県にあたる広域自治体の議会の選挙、 市町村にあたるコミューンと呼ばれる基礎自治体の代表を選ぶ選挙が3つ同時に行われる。いずれの選挙も比例代表制で政党を選ぶだけでよいシンプルな制度である。期日前投票も可能であり、日時が決まっているため予定も立てやすい制度である。選挙日がバラバラで、衆議院選挙が不定期に行われる日本と比べ、投票参加のハードルが低いといえる。

本章はあくまで、スウェーデンの教育に触れ、日本の教育の展望について考えることを目的とし取材を行った。そこには、確かな教育方針の違いがあり、若年層の社会参画に影響を及ぼしたと考えられる。ただ、選挙制度など様々な要因があり、教育の違いだけが決定的な要因ではないことを冒頭に触れておく。

 

「現実と向き合う」、民主主義教育

渡辺さんは、「教育の効果が高い投票率に影響を与えているかもしれない」と前置きし、教育制度について話した。スウェーデンの学校制度は、9年制の基礎学校(日本の小中学校を合わせたもの)、3年制の高等学校、基本4年制の大学からなる。主権者教育という科目はないものの、地理・歴史・宗教・社会科の科目が置かれ、中でも社会科が中心になって主権者教育に当たるものが展開されている。

「一言で表すと、非常に実践的ですね」。渡辺さんは、スウェーデンの政治教育について話し始めた。幼い頃から、政治や社会問題に触れさせる教育方針が根付いているという。4年に一度行われる選挙では、選挙自体を生きた素材として学習のために利用している。また、学校の課題として、学生が政党や候補者にインタビューを行いに赴き、レポートの作成を行う。中学生、高校生だけでなく、授業に希望した小学校5、6年生にあたる生徒たちも取材に赴く。

さらに、選挙日の10日ほど前に、実際の政党を対象とした学校選挙を開く学校も多い。学校選挙は1990年代から始まり、ある時期には7割に迫る学校が実施していたという。実際の投票箱、投票用紙を用いて中高生や小学校5、6年生にあたる生徒たちが投票を行う。学校選挙の結果は新聞に報道されたことがあるなど、注目度が高いという。「例えば、ある時期、環境党(緑の党)が国政選挙の結果よりも、学校選挙ではより多くの支持ということがありました。まもなく有権者になる人たちの動向なんで、政党も関心を持っている」。

社会科の教科書には、党派の違いだけでなく性犯罪や麻薬といった現在の社会問題までもが取り扱われている。教育も含め、こうした取り組みが行われる背景には、一人一人が自立することを重んじる考えが根付いていると指摘する。「向こうでは、主権者教育ではなく『民主主義教育』という言い方をするんです。『自分たちの社会はデモクラシーの原理で動かしていかなきゃいけない』という共通認識が非常に強いです」。

市民一人一人が自立し、考えて社会を作る。こうした自立した民主主義を養うことを目指した教育であり、向き合わざるを得ない問題には学生のうちに触れさせるという合理主義的考えが根付いている。

 

選挙へ行くために、日本とスウェーデンを比較して

スウェーデンの教育は、自立して考える力を養うことを目指している。では、渡辺さんの目には日本の教育がどのように映っているのか。「自分は教育学者ではない」と謙遜しつつも、淀みのない口調で自身の経験も含め、2国の教育について答えてくれた。

「日本の教育は教え込むという発想が強く、スウェーデンは自分で考えさせる」と話した。日本の教科書は、覚えるべきことだけが書いてあり、「覚える」という発想が強いと受験制度の弊害を感じているという。

他方、必ずしも北欧が良いところばかりではなく、日本が悪いところばかりではないと話す。「日本の教育の良いところは、非常に丁寧で、手取り足取り親切ですよね」と印象を語った。そして、スウェーデンの人から見ても丁寧な教育だと続けた。「僕がね、スウェーデンでお世話になったスウェーデンのお父さんだと思える人がいるんですよ。その方も、『日本は素晴らしい。町はすごく整然としていて、ゴミを捨てるやつもいないし、教育が行き届いてる』と褒めてくれた」。スウェーデンの学校現場を見ても、学生にも授業中、机に足を上げ、飲食を行う人がいるなど、「日本人からしたら行儀が悪い」と感じたという。

ともに良さと悪さがあるジレンマだとしつつも、行儀の悪さ自体を「程度の問題」と捉え、若者が選挙に行かない現状を踏まえて語った。「行儀はいいけど自分で考えられないではなく、少々行儀が悪くても自分の頭で考えるという姿勢を大事になってくる。18歳選挙権にしてもこれだけ若い人が選挙に行かないという状況を考えると、現実にもっと触れ、自分で考えさせるようにすることが必要かなと」。

これまでの教育は、規則や礼節を重んじることを生徒に伝えてきた。この日本特有の良さを残しつつ、早い時期から生徒と社会を向き合わせることこそが、日本の教育に求められる。

 

若者の社会参画に向けて

選挙権が18歳に引き下げられた時期、そのことについて1年生向けの講義で受講生にアンケートを取ったところ4割近くが選挙権の引き下げに反対だったと話す。「理由を書かせると、『わからないから投票に行かない』、『私のようなものが投票すると、逆に混乱する』というのがあって、真面目な学生に多いんですよ」と、興味深く感じたという。

「スウェーデンの若者は、『真面目に勉強して投票しに行こう』ということはない。普通にやっているとみんな行くから行くようになる。あるいは、政党を選ぶってなった時、『自分の意見を言わせろ』という感覚があるのではないか」。スウェーデンの授業を見学した際、手を挙げて誤った認識に基づいた意見を発言した生徒もいたという。ただ、自分で考え、言いたいことを言う。この考えがスウェーデンの市民に根付いており、高い投票率の原動力になっている。

未知である政治を特別視し、投票に及び腰になってしまう雰囲気は確かに存在する。勉強してから、分かってから参加しようという考え方が変わっていくのが理想だと話す。「本来、政治は投票し、参加しながら学べばいい。別に政治のことを義務感に燃えてやる必要はないので、機会があれば自分の考えをもって取り組んでほしい」。若者が社会参画の意義について、力強く語った。

自分で考え、投票を行うことを通じて政治について学んでいく。こうした考え方を伝えることが、若者の政治参画を促すことに繋がるはずだ。

 

第6章 終わりに

以上、政治教育の取り組みについて、教育現場と向き合う方々の声を取り上げてきた。本作品の結論として、「政治教育とは、『自身で社会を見る力』を養うことであり、その延長線上に投票という一つの社会参加がある」と主張したい。

「はじめに」でも述べたように、本作品は「若者の政治参画を目指すうえでの教育の現状と課題」について検証することが目的の一つであった。当然のことながら、理想の教育像や現状の課題は人によって異なる。ただ、取材を通じて、若者の政治参画を目指すために、「生徒が考える」ことを目指す点で一致していた。出前授業を通じて「政治を見る目」を養うこと。学校生活で意見を発し、成功体験を得ること。自分で考え、投票に参加しながら学ぶこと。いずれも、生徒自身が能動的に行動することを目指している。このような機会を提供することこそが、今後の「主権者教育」に求められることであり、若者の政治参加の足掛かりになるのではないか。

18歳選挙権の導入から依然として「主権者教育」が十分に浸透していないことも課題として挙げられている。教育現場に従事する方に限らず、一人でも多くの人が「主権者教育」に関心を寄せること。そして、「主権者教育」とは、と考えることが必要になってくる。もし、本作品を読み、「主権者教育」について「自分の考えを持つ」きっかけになれば、大きな意義を感じるところだ。

 

[1] 総務省「国政選挙における年代別投票率の推移について」、https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/index.html、(最終閲覧日2025年1月17日)

[2] 総務省(2024)「令和6年10月27日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報資料」、https://www.soumu.go.jp/senkyo/50syusokuhou/index.html、(最終閲覧日2025年1月17日)

[3] 朝日新聞デジタル「『政治に関心持たず生きていける国は良い国です』、自民・麻生太郎氏」、2022年7月1日、https://www.asahi.com/articles/ASQ7171Y8Q71UTFK02L.html

[4] 文部科学省「第8条(政治教育)」、https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/004/a004_08.htm、(最終閲覧日2025年1月17日)

[5] 総務省「選挙権年齢の引き下げについて」、https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/senkyo/senkyo_nenrei/、(最終閲覧日2025年1月17日)

[6] 総務省「主権者教育の推進に関する有識者会議 とりまとめ」、https://www.soumu.go.jp/main_content/000474648.pdf、(最終閲覧日2025年1月17日)

[7] 総務省(2024)「令和5年度選挙管理委員会による主権者教育等に関する調査の結果」、https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei15_02000427.html、(最終閲覧日2025年1月17日)

[8] 文部科学省(2023)「令和4年度主権者教育(政治的教養の教育)に関する実施状況調査の結果について」、https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2023/mext_00119.html、(最終閲覧日2025年1月17日)

[9] 公益財団法人日本ユニセフ協会「子どもの権利条約」、https://www.unicef.or.jp/crc/、(最終閲覧日2025年1月17日)

[10] 文部科学省「資料4 高等学校における政治的教養と政治的活動について(昭和44年10月31日文部省初等中等教育局長通知)」、https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/118/shiryo/attach/1363604.htm、(最終閲覧日2025年1月17日)

[11] 文部科学省「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知)」、https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11373293/www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1363082.htm、(最終閲覧日2025年1月17日)

[12] 文部科学省「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知)」、第2-3、https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11373293/www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1363082.htm、(最終閲覧日2025年1月17日)

[13] 朝日新聞デジタル「若者の投票がカギ 浦和大「主権者教育」 学生が考える選挙」、2024年10月22日、https://www.asahi.com/articles/ASSBP3RT3SBPUTNB034M.html

[14] ボイテルスバッハ・コンセンサス「①圧倒の禁止:教員は生徒を期待される見解をもって圧倒し、生徒が自らの判断を獲得するのを妨げてはならない。②論争性:学問と政治の世界において議論があることは、授業においても議論があることとして扱わなければならない。③生徒志向:生徒が自らの関心・利害に基づいて効果的に政治に参加できるよう、必要な能力の獲得が促されなければならない。」(文部科学省「今後の主権者教育の推進に向けて」、p11より一部引用、https://www.mext.go.jp/content/20210331-mxt_kyoiku02-000013640_1.pdf)、(最終閲覧日2025年1月17日)

[15] Statistics Sweden「Participation in elections to the Riksdag by region, sex and background variables. Number of persons entitled to vote and voting rates. Election year 2018 – 2022」、https://www.scb.se/publication/50826、(最終閲覧日2025年1月17日)

 

参考文献

・朝日新聞デジタル「(『政治とカネ』を問う)日本の子ども、政治と深い溝 学校現場、続く『中立性』への配慮」、2024年2月8日、https://www.asahi.com/articles/DA3S15858817.html?iref=pc_photo_gallery_bottom、(最終閲覧日1月19日)

・石田徹、高橋進、渡辺博明(2019)「『18歳選挙権』時代のシティズンシップ教育―日本と諸外国の経験と模索」、法律文化社

・池上知子、高史明、吉川徹、杉浦淳吉(2018)「若者はいかにして社会・政治問題と向き合うようになるのか」 『教育心理学年報』、57、273-281、https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj/57/0/57_273/_article/-char/ja/、(最終閲覧日2025年1月19日)

・産経新聞 弾圧続く海外からの警鐘、投票の重みとは、2021年10月27日、https://www.sankei.com/article/20211027-2FWMB2NR3BM6NKA64FLWYROCDI/

・総務省 「18歳選挙権に関する意識調査の概要」、2021年10月27日、https://www.soumu.go.jp/main_content/000461906.pdf、(最終閲覧日1月19日)

・東京新聞「<ぱらぱらじっくり 教育に新聞を>選挙期間中こそNIE(上) 模擬投票で賢い有権者に」、https://www.tokyo-np.co.jp/article/364831?rct=nie、(最終閲覧日1月19日)

・日本経済新聞 「若者の投票率高まるか コロナ禍、政治の関心上向く兆し」、2021年10月14日、https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE127IU0S1A011C2000000/

・松本正生(2020)「『不満もなく、関心もなく』、政治を意識しない若者たち-高校生政治意識調査(2016・17・19)から-」『政策と調査』、18、17-30、https://sucra.repo.nii.ac.jp/records/19189、(最終閲覧日1月19日)

・読売新聞「18、19歳投票率 43.06% 衆院選 全体を10.79ポイント下回る」、2024年10月31日、東京朝刊、4頁

・読売新聞「仏からの独立 否決 ニューカレドニア住民投票」、2018年11月5日、東京朝刊、6頁

・NHK「『政治や選挙に関心持って』県が高校で出前授業」、2024年8月26日、高知 NEWS WEB、https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20240826/8010021434.html、(最終閲覧日2025年1月19日)

・OBSオンライン「参院選 若者の投票率低下 改善のヒントは」、2022年7月6日、https://newsdig.tbs.co.jp/articles/obs/88283?display=1、(最終閲覧日2025年1月19日)

このルポルタージュは瀬川至朗ゼミの2024年度卒業作品として制作されました。