キャンパス内に見つけた「最高」のワセメシ 森の風
一歩店内に入るとその景色の広がりに圧倒された。大きく開けた窓から見える関東平野はどこまでも続いている。その景色は下町の代名詞とも言える早稲田にいることを忘れさせる。早稲田周辺のお店でここまで展望が洗練されたレストランはないだろう。お店の名は「森の風」(注1)。26号館の15階にある。レストランとしての一面だけでなく、早稲田関係者のコミュニケーションの場としての一面も存在する。(取材・執筆・写真=多木翔大)
名前は「早稲田の杜」から
「森の風」は、タピオカで有名なALFRED TEA ROOMを中心とした飲食店を展開するcafe company(注2)が経営しているお店である。眺望の良さが大きな特徴だ。早稲田キャンパスや大隈庭園だけではない。レストランのある26号館15階からは、スカイツリー、東京タワー、富士山をも見ることができる。お店に入るだけで心が洗われるような開放感を得られる。「森の風」という名前は「早稲田の杜」から来ているそうだ。
いらっしゃいませを言わない接客
お店では接客にこだわっている。「いらっしゃいませ」を言わないのだ。代わりに「こんにちは」「こんばんは」を用いる。
「『いらっしゃいませ』ではお客様を受け入れる姿勢になってしまいます。自宅のような、ありのままの自分でいられるような空間作りのために、『こんにちは』から始まるコミュニケーションを心がけているのです」。
そう語るのは森の風・店長の陰山雄樹さんだ。
森の風は早稲田大学教職員レストランである。お客の多くは教職員、もしくは早稲田のOBやOGだそうだ。ゼミや部活の集まりでも利用される。また教職員の方々が学外の人を連れて来店するという。「早稲田にこんなお店あるんだ!すごいね早稲田!と言ってもらいたいですね。『早稲田の顔』のような存在になることができたら嬉しいです」。ここでの交流は早稲田関係者の横の絆を生んでいるのだ。
また来たいと思われるお店に
森の風は、PR活動を一切していない。というのも外部のお客が増えてしまっては早稲田関係者が利用できなくなる可能性があるからだ。リピート率はかなり高い。週4日や5日来店する人もいるという。そのため、パスタやライスプレートは週代わりでメニュー変えている。また比較的年齢の高い方が多いことから、味が濃くならないように、サッパリとした味付けにすることを心がけている。
また、洋食以外にもワインに力を入れている。cafe company専属のワインソムリエによって選ばれた質の高いお酒をリーズナブルに提供している。接客だけでなく料理にも気をきかせて、一度訪れたお客の心をつかむのである。
学生スタッフは全員が早稲田生
「森の風はとても働きやすいです。空きコマにシフトを入れられるのはかなり助かります。また、OB・OGの方が多くいらっしゃるため、昔の早稲田の話をよく聞かせていただきます。早稲田の歴史の深さを感じますね。早稲田をもっと好きになりました」
「森の風」のアルバイト、川瀬理子さん(社会科学部2年)はこころよく話してくれた。ワセメシでアルバイトをする早稲田生は数多くいる。しかしバイト先に早稲田のOBやOGが来る飲食店は数が少ない。学生アルバイトは全員早稲田生であり仲もとても良いという。そこもまた魅力の一つだ。川瀬さんにお店一番の魅力を聞いてみた。「やっぱり景色ですかね(笑)。特に夜はライトアップされた東京を一面見渡すことができます。ワインを飲みながら最高の夜景を楽しんでほしいです」
洗練された眺望と料理を楽しめる。「最高」のワセメシだ。
(注1)http://www.cafecompany.co.jp/brands/morinokaze/
(注2)http://www.cafecompany.co.jp