普及の進まない歩車分離式信号から見えた人々の想い


はじめに 

 

「青信号を渡っていた歩行者がトラックにはねられ死亡しました」。

こんなフレーズを誰しも1度はニュースで耳にしたことがあると思う。それに対して、どう感じただろうか。「ああ、なんて痛ましい事故なんだ」、「被害者が可哀想」、「加害者の行為が信じられない」。実際に私がそうだった。悲しみに暮れる遺族の姿がテレビに映ると、いたたまれなくなり番組のチャンネルを変えてしまった。

そんな交通事故の報道についても疑問があった。「いつどこで誰がこんな事故に遭った(を起こした)」という情報を並べ、それが何になるのかと。「自分はこんな事故を起こさないようにしよう」。「巻き込まれないように気をつけよう」と感じたりもする。しかし、それが交通事故を根本的に防止しているとは到底思えなかった。

いつも通りぼんやりとニュース番組を眺めていた。すると、ある交通事故の報道で「歩車分離式信号の普及がもっと進んでいくといいですね」とキャスターがぽつりとコメントを残した。それが妙に耳に残り、歩車分離式信号について調べ始めた。それ以降、凄惨な交通事故を知る度に、「もしかして、歩車分離式信号だったら事故を防げたのではないだろうか」と考えることが増えていった。

罪のない歩行者が巻き込まれる無惨な事故は、注意深さの足りないドライバー個人の問題か。それとも、数々の交通事故を他人事として捉えてきた私たち1人1人が招いたものか。このルポルタージュを通して考えてみてほしい。

(取材・文=後藤陽佳、写真=長谷さん提供、後藤陽佳)

トップの写真は、1992年上川橋交差点で発生した交通事故で亡くなった長谷元喜さん(当時11歳、写真左)。右側は一緒に遊ぶ妹の友姫さん。

第1章 慎重な性格の息子がなぜ事故に ―上川橋交差点の例―
 クイズカード

「ドラえもんは何せいきからきたのでしょう」、「帝国少年パプワくんのアニメで東ほくミヤギがもっているけんは」、「学校のカーテンは白とあとなに」。

これは今から31年前、当時小学5年生の長谷元喜はせげんきさんが作ったクイズカードだ。漢字とひらがなが入り混じる文章で、いかにも子どもらしいクイズが出題されている。そのなかにこんな問題もあった。

 

写真:ランドセルに入っていたクイズカード 撮影:後藤陽佳 2022年11月1日
写真:ランドセルに入っていたクイズカード 撮影:後藤陽佳 2022年11月1日

クイズ

「信号はなぜあるのか A.信号がないと交通事こにあうから」

元喜さんは真面目な人なんだな。あなたもそう感じたのではないだろうか。小学校で開催される子ども祭りに向けて作られていた6枚のカード。元喜さんはこれらを透明のポリ袋にまとめ、ランドセルの中に大切にしまった。しかし、このクイズが元喜さんの口から誰かに問いかけられることはなかった。その日学校へ向かう道中、元喜さんは交通事故に遭い亡くなったのだ。青信号を渡っているときに。

 

カードの上にある数字は、正解した人に与えられるポイントではないかと父親の長谷智喜はせともきさん(70)は推測する。信号の意義を問う問題は6枚の中で最も配点の高い60ポイントだ。「きっと元喜は『こんな難しいことも知っているんだぞ、すごいでしょう』と思っていたんでしょうね」。長谷さんは薄く笑って呟いた。

 

なぜ、信号を守った元喜さんの命は奪われなければならなかったのか。なぜ、信号は元喜さんの事故を防いでくれなかったのか。簡単に剝がれるはずのない引きちぎられたランドセルのベルトを眺めながら、私はただ涙を堪えることしかできなかった。

写真:背負う部分のベルトが切れた元喜さんのランドセル 撮影:後藤陽佳2022年11月1日
写真:背負う部分のベルトが切れた元喜さんのランドセル 撮影:後藤陽佳2022年11月1日
 長谷智喜さん 普及活動のはじまり

JR八王子駅北口を出てから北西へ20分ほど車を走らせる。そこには山々が広がり、鳥のさえずりもよく聴こえる東京都内とは思えない静かな場所があった。長谷智喜さんは慣れた手つきで細い山道を走り抜けた。そして、ある1つの交差点を前にしてこう話した。「ここでね、元喜が死んだんですよ。見て?車も人も少ないでしょう。まさかここで息子が事故に遭うなんて夢にも思っていなかったんです」。その言葉の通り、人も車通りも少ない、大きな特徴は何もない、至って普通のT字の交差点だった。上川橋交差点である。

写真:上川橋交差点 撮影:後藤陽佳 2022年11月1日
写真:上川橋交差点 撮影:後藤陽佳 2022年11月1日

1992年11月11日午前8時過ぎ。長谷元喜さん(当時11歳)は、通学中にこの交差点で左折するダンプカーに巻き込まれて亡くなった。写真で説明すると、元喜さんは手前の横断歩道を右側から左側へ渡ろうとしていたのである。

図1:上川橋交差点事故当時の状況 筆者作成
図1:上川橋交差点事故当時の状況 筆者作成

目撃情報によると、元喜さんと妹の友姫ゆうきさんはいつも通り学校に向かうため、上川橋交差点で信号待ちをしていた。信号が青に変わった途端、友姫さんは走って渡り始めた。一方で元喜さんは、「青信号を確認し山道から降りてきた赤い車が止まるのを待ってから」信号を渡り始めた。小学3年生になっても自転車に乗ることを怖がるほど慎重な性格だった元喜さんは、この交差点を渡るときも青信号に変わった瞬間に跳び出さなかったのだ。しかし、ゆっくりと歩き始めた元喜さんと同時に、右後ろから大型ダンプカーも走り出した。一瞬にして体はダンプカーの前輪に引きずり込まれた。頭蓋骨粉砕骨折、幼い命は奪われた。

ダンプカーの向かう先には採石場がある。ゴオオと腹の底まで響いてくる大きな音を立て、橋を揺らしながら現在も多くの大型トラックが上川橋交差点を通り抜ける。

 

「これほど慎重でね、臆病な性格の元喜だけは事故に遭わないだろうと思っていたんです」。

写真:元喜さんがダンプカーに巻き込まれた現場 撮影:後藤陽佳 2022年11月1日
写真:元喜さんがダンプカーに巻き込まれた現場 撮影:後藤陽佳 2022年11月1日

長谷さんは緊急の連絡を受け、仕事場から急いでタクシーを呼び事故現場に向かった。そこで目にしたのは毛布を被った元喜さんの遺体とダンプカー、そして信号機。こんな悲惨な事故が起きても、信号機は憎たらしく点り続ける。

 

「元喜は学校で教わった交通安全をちゃんと守っていて。これ以上どうしたらよかったんですかね。加害者への憎しみは消えないけれど、それよりも『人と車が交わるこのシステムを変えなければいけない』という使命感が強く湧いてきたんです」。意外にも、長谷さんはどの言葉も苦しそうに、悔しそうに話したりはしなかった。もう何度も何度も伝えてきたことなのだろう。淡々と目を逸らさずただ私に伝わるように諭してくれた。そして語気を強めて「私は息子を事故死じゃなくて構造死だと表現しています」と言った。

写真:長谷智喜さんと歩車分離式信号が採用された上川橋交差点にて 撮影:後藤陽佳2022年11月1日
写真:長谷智喜さんと歩車分離式信号が採用された上川橋交差点にて 撮影:後藤陽佳2022年11月1日

事故当時は「歩車分離」という言葉すらなかった。長谷さんは人と車が同時に青になる「人青車青ひとあおくるまあお信号をなくす会」という名で普及団体を立ち上げた。その後も都道府県議会や新聞・テレビ、著書を通して歩車分離式信号設置の重要性を訴え続けた。その甲斐あって、事故から10年後の2002年9月には警察庁により「歩車分離式信号に関する行動指針」が制定された。同じ年に上川橋交差点にも押しボタン式の歩車分離式信号が採用された。以降、現在も全国で整備が促されている。先述した普及団体は、「命と安全を守る 歩車分離式信号普及全国連絡会」[1]に改名し現在も活動を続けている。30年に及ぶ長谷さんの長く熱い歩車分離普及への訴えがあったからこそ、私は今回取材にたどり着くことができたのだ。

 

 違和感

「あれ、なんだかいつもより赤信号で止まっている時間が長いなあ」。

そう感じたことが、一度くらいはあるのではないだろうか。おそらくそれは、歩車分離式信号が採用された横断歩道だと推測する。歩車分離式信号を一言で表すと、「右左折する車両と横断する歩行者が交わらないための信号」である。そのメカニズムを詳しく説明しよう。

まず、多くの人が信号交差点のサイクルを頭に浮かべたとしたら次の図のようなものになるだろう。

図2[2]  標準二現示信号のサイクル 出典:福岡県警察
図2  標準二現示信号のサイクル 出典:福岡県警察

1現示[2]目 南北から走る車両が直進右左折 同時に南北方向に渡る歩行者が通行

2現示目 東西から走る車両が直進右左折 同時に東西方向に渡る歩行者が通行

同じ方向の車と歩行者が同時に青になる信号である。つまり、右左折する車と歩行者が交わる構造だ。一方で、歩車分離式信号(スクランブル方式)は次のようなサイクルである。

図3 歩車分離式信号のサイクル 出典:福岡県警察
図3 歩車分離式信号(歩行者専用現示方式)のサイクル 出典:福岡県警察

1現示目 南北方向から走る車両が 直進右左折

2現示目 東西方向から走る車両が 直進右左折

3現示目 歩行者のみ横断

このように、歩車分離であれば信号無視等の違反が起きない限り「歩行者と車両が同時に横断することの無いメカニズム」となっている。上川橋交差点の事故当時、元喜さんの目の前の信号は青だった。そしてダンプカーに示された信号も青。どちらも「進め」の合図に従ったために交わることになってしまったのだ。歩行者は「青」でも車は「赤」。車は「青」でも歩行者は「赤」。歩車分離のサイクルでは両者が交錯する構造が作られることはない。

 

 2人の願い

取材中、何度も長谷さんが繰り返し伝えてくれたこと。それは至ってシンプルなことだった。

「後藤さんも忘れ物、失くしもの今までにしたことがあるでしょう。ヒューマンエラーの防止ってかなり難しいですよね。『(車に)注意しましょう、(歩行者を見落とさないように)気をつけましょう』の教えでは限界があるんです。でも、システムは確実に変えていけるでしょう。だから変えていかなければならないんですよ」。

長谷さんは、どの言葉も力強く願いを込めて話した。目にはうっすら涙を浮かべているようにも見えた。すると、妻のかつえさんも次のように一言。

「せめて青信号を守った子の命だけは守ってほしい。それが救われなければ、みんな何を信じて渡ればいいのかわからなくなってしまうでしょう」。

写真:長谷夫妻と元喜さん 撮影:後藤陽佳 2022年11月1日
写真:長谷夫妻と元喜さん 撮影:後藤陽佳 2022年11月1日

2人の願いはなぜ願いのままなのか。次の章では、歩車分離式信号の現状を具体的な数値で見ていくことにしよう。

第2章 なぜ歩車分離の普及が進まないのか
 安全性は高いのに設置率は低い

歩車分離式信号最大の特徴は「安全性の高さ」である。2002年1月から半年間、警察庁が行った全国100カ所の交差点でのモデル試験運用の結果、「交通人身事故の発生件数が約4割減少し、そのうち人対車両の事故は約7割も減少するなど、安全面で大きな効果が認められ」[3]ている。日本の交通事故の現状[4]として、道路形状別発生件数でみると交差点、交差点付近が46.2%を占めている。また、状態別死者数では最も多いのが歩行中である。つまり、【歩車分離式信号の採用は、交通事故防止に大きく貢献する】ことが証明されているのだ。

しかし、歩車分離式信号は令和4年3月末時点で全国の信号機約20万7421基に対して1万30基にしか達していないため、【約4.8%程度の設置率】となっている。

 

 非分離の信号は人の命をないがしろにしている

「どうして歩車分離へ興味をもってくれたのですか?」長谷さんは私に会うなり朗らかな笑顔で尋ねてきた。これまで信号交差点について研究したことのなかった私に、1つ1つ丁寧に優しく教えてくれた。そんな穏やかな長谷さんが、初めて表情を曇らせたのは、やはり設置率の乏しさについて話すときだった。「元々劇的な変化を遂げるだろうと期待はしていなかったけど、進捗はあまりにも遅い。イギリスのように、すべての信号機が歩車分離を採用している国があるというのに。(設置率を)100%にとは言わないけれど、せめて歩行者の安全が何よりも1番に守られる世の中になってほしい」。

 

これまで「歩車分離式信号を採用する」と表現してきたが、従来の信号機から歩車分離式信号に変更するには、信号機を丸ごと設置しなおすわけではない。ただ信号が変わるタイミングを変更するだけである。つまり、大幅なコストや時間を浪費することはないはずなのだ。

ではいったいなぜ、20年間でたった4.8%程度の設置率に留まっているのか。

 

 歩車分離の懸念点

 前提として、全国の歩車分離式信号の設置率は緩やかながら年々増加している。

グラフ1:全国歩車分離式信号設置数 筆者作成
グラフ1:全国歩車分離式信号設置数 筆者作成

しかし、その進捗具合は迅速とは言えず、近年でも青信号を守っていた歩行者が車両に巻き込まれる事故は後を絶たない。「青信号 歩行者巻き込み死亡事故」と検索し、ニュース一覧を見てみると一目瞭然だ。上川橋交差点の例に限らず、全国至る所で似たような事故は発生している。また、2021年度交通死亡事故状態別でみると全国では35.7%、都内では47.4%が歩行中に事故に遭っている。さらに、都内歩行者交通死亡事故のうち34.9%の人は信号無視など違反を犯していないにも関わらず亡くなっている。[5]

もちろん、すべての事故が歩車分離であれば防げたと主張するつもりはない。しかし、事故防止効果が認められている歩車分離の進捗がなぜ芳しくないのか調べる意義があると強く感じた。

 

グラフ2: 警視庁「歩行者の交通事故防止」から引用
グラフ2: 警視庁「歩行者の交通事故防止」から引用

 

勘の良い読者の方はおそらく「歩車分離を採用した場合、どのくらい事故が減るのか実例データはないのか」と疑問に思うことだろう。しかし、残念ながら歩車分離設置による事故率の変化を表すデータは存在しない。歩車分離設置後の追跡調査は行われないのだ。

 

「歩車分離の普及が進まない原因を追究したいです」と初めて懇願したのは、就職活動中の合同セミナーでのことだった。この題材を扱うと決めた直後に出向いたセミナーで、神奈川県警察のブースを見つけたときには運命とさえ思った。というのも神奈川県は、例年県別歩車分離式信号整備率トップ3にランクインしている[6]。2021年度には県内9555基の信号機のうち、983基が歩車分離として整備されていた。この県内約10.3%の設置率は、長野県に次いで全国第2位の高さである。「信号に興味を持ってくれて嬉しいです」と交通規制課の上野康弘さんは快く取材を引き受けてくれた。

写真:神奈川県警察本部 外観 撮影:後藤陽佳 2022年12月3日
写真:神奈川県警察本部 外観 撮影:後藤陽佳 2022年12月3日

 

人生初めての警察取材。正直私は気がかりだった。というのも、包み隠さずに言ってしまえば、歩車分離の普及が芳しくないのは、警察の取り組みが遅いからではないかと僅かな嫌悪感を抱いていたのだ。遺族の想いを知った上で公平な立場で話を引き出せるだろうか。緊張したまま受付を済ませ、その先にあるエレベーターで指定された階に向かった。奥の部屋に案内され、待っていたのは上野さんだけではなく他3名の職員の方々。私の理解をより深めるためにと協力を仰いでくれたのだ。

取材の経緯を丁寧に頷きながら聞き、1つ目の質問に答えてくれた。「歩車分離式信号を設置する上での懸念点はやっぱり渋滞です。標準の信号機であれば2現示1サイクルで済むはずが、歩車分離にすると現示数が増え、待ち時間が増えてしまう。渋滞による地域からの苦情が後を絶たないケースもあったんです」。

さらに、長い信号待ちを避けようと多くの車が別の道を使用。それによって、住宅街のような狭い道が渋滞し、事故の危険性が高まった事例もあるのだ。もちろん、人通りの少ない場所には上川橋交差点のように押しボタン式の歩車分離が採用されるなど、交通状況に合わせた歩車分離を導入する例もある。しかし、それでも採用されないケースがある。

「あくまで神奈川県の例になりますが、信号を待つスペースが狭いという特徴があります。闇雲に歩車分離を導入しても待つ場所に人が溢れて、かえって危険を招く可能性があるんです」。

正直、歩車分離採用の懸念点に「渋滞」が挙げられるのは想定内だった。しかし、歩道に留まる歩行者に危険が迫っているとは考えつきもしなかった。「歩車分離なら安全」ということばかり考えていたのだ。また、職員の方はこんな話もしてくれた。

「地元町内会からの要望で歩車分離に変更したにもかかわらず、あまりの不便さに『もう一度従来の信号機に戻してほしい』と言われたこともあるんです。頻繁に信号機を変更することもまた事故を誘発する恐れがあるので、交通需要を総合的に見て歩車分離を導入するか判断します」。

歩車分離の導入は、基本的に警察庁丁規発第47号[7]に基づいて検討される。しかし、それだけでなくこれらのリスクも熟考した上で慎重に判断されていることがわかった。

 

歩車分離だから実現できる安全な未来と、歩車分離だから招いてしまう危険。取材を通していく中で双方の視点が見えてきた。このままではどんな結論にも辿り着けないのではないかと焦りをもおぼえていた。「そういえば、大学の近くの交差点も歩車分離ですよね」と教授の一言で気づかされた。そう、私は毎日のように歩車分離式信号を使っていたのだ。

第3章 こんなところにも歩車分離 ―早稲田駅前交差点―
 一部歩車分離式信号とは

東京メトロ東西線早稲田駅を降りると、目の前に大きな道路が現れる。早稲田大学、早稲田中学校・高校、学習院女子大学に通う学生がこの駅を利用することもあり、道は多くの若者であふれかえっている。その名の通り「学生街」だ。

そして、この交差点も歩車分離が活用されている。前述したものとは少し異なる、「一部歩車分離式信号」だ。一部歩車分離式信号とは[8]、「歩行者と車両の通行の一部を時間によって分離している信号機」のことである。

図4 早稲田駅前交差点[9] 出典:Google Map
図4 早稲田駅前交差点[9] 出典:Google Map
まず、交差点のサイクルから説明しよう。黒線①は早稲田通り、赤線②はセブンイレブン通り(正式名称ではないがこのルポルタージュではそう名付ける)緑線③は夏目坂、そして、4カ所の横断歩道で構成されている。

図5 現在の早稲田駅前交差点のサイクル (実線は車両、点線は歩行者) 筆者作成
図5 現在の早稲田駅前交差点のサイクル (実線は車両、点線は歩行者) 筆者作成

この交差点は、6現示1サイクルになっている。

1現示目 早稲田通りの車両が直進左折 一部歩行者が横断

2現示目 早稲田通りの車両が右折

3現示目 セブンイレブン通りから夏目坂へ車両の直進、早稲田通りへ車両の右左折

4現示目 夏目坂からセブンイレブン通りへ車両の直進、早稲田通りへ車両の右左折

5現示目 歩行者のみ通行

6現示目 一部歩行者が通行 (約2-3秒間)

 

1現示目に注目してほしい。ここで車両と歩行者の一部が交錯しているため、完全な歩車分離ではなく、一部歩車分離式信号という名称となっているのだ。

交差点を眺めているうちに私の頭には3つの疑問がよぎった。

まず、【歩車分離が採用されたことで、交差点はどのように変化したのか】。次に、【なぜ一部歩車分離へ変更されたのか】。そして最後に、【なぜ完全な歩車分離ではなく一部歩車分離なのか】。この3つの謎を解明するべく、まずは町内会の方に話を聞くことにした。

 

 突然変わる信号のサイクルは怖かった ―町内会の声―

「歩車分離に変わってよかったよ。もっと増えていってほしいと個人的には思うね」。話してくれたのは、馬場下町町会会長の細川聡さん、早稲田商店会会長の栗林健二さんである。

写真:栗林さんの証言を基にした事故の様子 筆者作成
写真:栗林さんの証言を基にした事故の様子 筆者作成

「歩車分離になる前、(早稲田通りから夏目坂へ左折する)乗用車と駅に向かう子どもが巻き込まれて亡くなった事故があった。それはもう見ていられないくらい悲惨な事故だった」。栗林さんは思い出すのも憚られるかのように、苦い表情で話した。そのほかにも歩行者を巻き込む事故は頻繁に起きていたそうだ。しかし信号が歩車分離に変わってからは、事故が減っていることを体感した。利用者として安心して渡ることができていると2人は声をそろえて話してくれた。

写真:左・栗林さん、右・細川さん早稲田駅前交差点にて 撮影:後藤陽佳 2022年11月14日
写真:左・栗林さん、右・細川さん早稲田駅前交差点にて 撮影:後藤陽佳 2022年11月14日

取材の中で最も衝撃的だったのは、「行政からなんの説明もなく突然信号のサイクルが変わっていた」ことだ。警察などから町内会への連絡は一切なく、看板だけが設置されていたという。細川さんは「昔のくせでつい赤信号なのに渡ってしまいそうになって怖かった」と変更直後の様子を振り返る。地域住民の「慣れ」に逆らい、無意識のうちに信号のサイクルが変更されていることは非常に怖いことである。

また、2人は何がきっかけで早稲田駅前の交差点が一部歩車分離に変更されたのかその経緯も知らされていない。「言い方は悪いかもしれないけれど、死亡事故が起きない限り(行政が)交差点を見直そうとはならないんじゃないか」と呟いた。

 

 言われてみれば減った、交差点での事故 ―利用者の声―

前節で分かる通り、町内会への取材では、「いつ、なぜ歩車分離を取り入れることになったのか」明確な答えは得られなかった。そこで、一部歩車分離になる前の状態を知る近隣住民6名の方々に話を聞いた。その結果を以下にまとめる。

 

表:早稲田駅前交差点利用者6名の声 筆者作成
表:早稲田駅前交差点利用者6名の声 筆者作成

 

一部歩車分離に関する意見は様々あるが、6人中5人が事故の減少を実感していた。また、6人中5人が一部歩車分離になる前に、何かしらの事故をこの交差点内で目撃していた。このことから、事故の多さが原因で一部歩車分離へ変更したのではないかと考えられる。さらに、この取材を通して歩車分離変更の呼びかけが十分に行われていなかった、もしくは、行っていたけれどほとんどの人たちの記憶に残らなかったことも明らかになった。

 

また、Dさんのコメントに注目してほしい。歩車分離の導入後バイクの事故を起こしてしまったという。Dさんは、早稲田通りでバイクに乗り、夏目坂へ向かうため信号待ちをしていた。自分の左側にある道路が青になり、車が走る。次に、右側の道路が青になり、車が走る。この2現示、約50秒も待ち続けたあと、つい「次は自分の番だ」と思ってしまった。しかし、実際は歩行者が青。Dさんの目の前の信号は赤にもかかわらず発進してしまった。そして、横断歩道を渡る学生たちと衝突した。幸い、大きな怪我に繋がらなかった。もちろん、信号を正しく確認していなかったDさんに非がある。しかし、待つ現示の多い歩車分離ならではの事故だともいえる。このような見切り発進の事故は、歩車分離を採用する上で懸念される問題の1つだ。

この取材で一部歩車分離に変更された決定的な理由は明らかにはなったわけではない。しかし、歩車分離になる前には事故が多かったこと、それにより「歩車分離に変えてほしい」などと市民の要望があったのではないかという予測をつけることはできた。

しかし、最後の疑問である【どうして完全な歩車分離ではなく一部分離なのか】を知る人はいなかった。そこで、東京都内全ての信号設置に携わる方々に話を聞くことができた。

 

 守られない信号が1番危険 ―警視庁の声―

警視庁へ取材するにあたり、私はかなり緊張していた。緊張の訳は2つある。まず、「歩車分離設置率の低さは、設置する立場の人々の行動が遅いからだ」という考えから抜け出せなかったのだ。リスクを熟考した上での決行にしても【人の命<渋滞緩和】の考えが根付いてる。だからこそ、歩車分離設置に踏み切れないのではないかと思っていた。そしてもう1つの理由は、町内会、近隣住民のほとんどが信号変更の知らせを受けていなかったからだ。歩車分離への変更後に最も重要とされる広報活動が行われていなかったのではないかという猜疑心が芽生えていた。加えて人生で初めて立ち入る警視庁、そのたたずまいから圧倒されていた。

警視庁という場所に関わることはそうないと思っていた。しかし、平日の昼にも思いのほか客は多い。私の座った机の真横の席でも外部からのお客様の対応をしているようだった。騒がしいわけではないが室内は皆忙しそうな様子だった。2人は緊張する私に対し、落ち着いた笑顔で取材に応じてくれた。

「この人たちは毎日信号のことを考えているんだ」。これが彼らに対する第一印象だ。私がかけてきた歳月とは比べ物にならないほど研究してきたであろう信号交差点のことを、資料を用いて噛み砕いて説明してくれた。

 

「守られない信号が1番危険なんです。信号が人々に守ってもらえて、かつ使いやすことが一番の理想なんですよね」。教えてくれたのは、交通部交通管制課の担当者の方である。

信号を無視されることなく、正しく利用してもらうことが最も大切なこと。そのために、利用者にできるだけストレスがかからないないようにすることが重要だという意味だ。つまり、制限によるハレーション[10]が少ないほど信号に従ってもらうことができる。この根源的な考えが抜け落ちていたことに私はこのとき気がついた。担当者の方は「安全と円滑はトレードオフの関係にある」と表現した。つまり、安全だけを重視すると、効率的なサイクルにならない。それによって待ち時間などの制限に耐えられず信号さえ守ってもらえなくなり本末転倒というわけだ。

 

そして、誰に聞いてもわからなかった疑問をぶつけてみた。「なぜ完全な歩車分離ではなく一部歩車分離なのでしょうか」と。

「例えばもし、完全な歩車分離にした場合、歩行者は今より1現示分進むことができなくなりますよね。早稲田通りから左折する車は比較的少ないにもかかわらず、歩行者はその間赤で止まらなければいけなくなる。些細かもしれないけれど、そういった制限の積み重ねが信号を守らない可能性を高めていくんです」。

 

余計な制限をかけないためにこの交差点では完全な歩車分離ではなく一部歩車分離を採用している。言い方を変えれば、安全と円滑の双方を両立させた形が早稲田駅前交差点においては「一部歩車分離」という答えにたどり着いたということだ。

 

写真:警視庁本部 外観 撮影:後藤陽佳 2022年12月2日
写真:警視庁本部 外観 撮影:後藤陽佳 2022年12月2日

信号や交差点に関する意見は各地で多く上がっている。警視庁のホームページにある【信号機BOX[11]】には年間で1000件ほど利用者の方々から交差点の危険や交通渋滞の不満などを訴える声が寄せられている。

しかし、要望の一面的な意見だけを優先することはできない。誰かの意見を優先するということは何かを犠牲にすることだからだ。

そのため、ある一部の時間帯だけをみて判断することもできない。例えば、「通学路で小学生が危ないから歩車分離に変えてほしい」との要望があったとする。しかし子どもたちが通行するのは、大体24時間のうち往復長くて約60分程度。1日の約4.1%の時間だけのために、残りの全ての時間、車両が滞り渋滞による社会経済的損害を被ってもいいのかという話になってしまう。一面的な通行状況だけで信号のサイクルを変更することはできないのだ。

 

また利用者の声からは、「行政からの呼びかけはなかった」という声が過半数を超えた[12]。そこで、一部歩車分離導入直後の活動について尋ねた。

「導入後には必ず地元の警察官がその信号の柱の近くに立って呼びかけています。また、信号のサイクル変更に関する立て看板も柱につけています。ただ具体的な期限は決まっておらず、利用者の慣れを見て地域によってまちまちです。広報には難しさを抱いています」とのことだ。信号を使うのは住民の方々だけではない。通勤通学で使う人たちにどう伝えたらいいか頭を悩ませているようだった。

 

取材の最後に「全ての交差点で歩車分離式信号が採用される可能性はあるのでしょうか」と尋ねてみた。そんな仮定に笑われてしまうかと一瞬不安に思った。すると、より一層真剣な面持ちで「交通渋滞に対する許容がない、言い換えれば渋滞にイライラする世相がある限りは安全面を最重要視した交差点を実現することは難しいと思います」という答えが返ってきた。私はこの一言に痛烈に納得させられてしまった。1人1人の意識や考えを変えなければ歩車分離の普及は進まないということを痛感させられたのだ。

この節の冒頭で、「設置率が低いのは、設置を進める立場の人に原因があるのではないか」と書いた。それは、なんとも浅はかな考えだった。歩車分離を採用する人たちが重い腰を上げ渋っているわけでは決してない。「できるだけ信号待ちはしたくない」、「何より経済活動を滞らせたくない」という考えはこの社会にいる多くの人々のものではないだろうか。こうした考えが安全第一を掻き消しているのではないか。

もちろん、前述の通りすべての交差点で歩車分離が本当に必要なのかについては、検討の余地がある。ただ、歩車分離ではない信号[13]に対して「『標準』二現示」と名付けられているように歩車分離がレアケースとして認識されているのが現状だ。「歩行者と車が交わるのが信号の普通」という考えが少しでも変わってほしいと私は切に願う。

 

第5節 早稲田駅前交差点の変化

第3節で紹介した通り、「歩車分離が採用される前にこの交差点で(人対車両の)事故を見たことがあると答えた人は6人中5人」という結果になった。歩車分離になる前は果たしてどのような信号サイクルだったのか。こちらも警視庁交通部交通管制課の方に教えてもらうことができた。
2010年時点のサイクルは以下のようになっていた。このサイクルを本ルポルタージュでは第1世代と名付ける。

図6 早稲田駅前交差点 第1世代 筆者作成
図6 早稲田駅前交差点 第1世代 筆者作成

 

1現示目 早稲田通りの車が直進右左折 同時に東西方向の歩行者も横断可能

2現示目 セブンイレブン通りの車が直進右左折 同時に片側南北方向の歩行者も横断可能

3現示目 夏目坂の車が直進右左折 同時に片側南北方向の歩行者も横断可能

第1世代では、すべての現示で歩行者と車両が交錯する仕組みになっていた。つまり、歩車分離ではなく標準三現示の交差点だ。しかし、地域住民やドライバーから「歩行者と車両がぶつかりそうで危ない」と歩車分離を求める声が多く上がった。そこで、2011年の2月からは一部歩車分離式信号が初めて採用された。これを第2世代と名付ける。

 

図7 早稲田駅前交差点 第2世代 筆者作成
図7 早稲田駅前交差点 第2世代 筆者作成

1現示目は第1世代と変わらないが、2現示目で全方向の歩行者だけが横断できる時間が誕生した。つまり、南北方向に渡る歩行者と車両が交錯することがなくなった。先述通り利用者からは、事故の多発が原因で歩車分離になったのではないかという意見が多かった。一方で、警視庁からは地域住民の要望がきっかけで歩車分離に変更されたとのことだった。

 

図8 早稲田駅前交差点 第3世代 筆者作成
図8 早稲田駅前交差点 第3世代 筆者作成

そして第3世代では、1現示目のみ変更された。こちらも、地域住民から「歩行者と車の交錯が危険だ」という要望が多かったため、2014年に変わった。すると、今度は早稲田通りを利用するドライバーから「右折がなかなかできない」との声が上がった。それにより、右折車線と信号の右折矢ができた。さらに、東西方向を渡る歩行者が、青信号を継続して渡るために、2016年から現在のサイクル[14]の交差点が運用されている。

第4章 取材を通して見つけた「交通安全」の在り方

22年間、私は一度も交通事故の被害に遭ったことも事故を起こしたこともない。信号や交差点の構造など1度も考えたことはなかったのに。それがいかに偶然的なもので、ラッキーなことだったのか取材を重ねるたびに身に染みていた。

 まずは知って下さい

このルポルタージュを通して伝えたいことは、「ただ歩車分離式信号への変更を推進すべきだ」ということではない。安全性が証明されている歩車分離に変えれば事故が無くなるわけではないからである。実際に、早稲田駅前の交差点でさえも一部歩車分離式信号になってからも事故や信号無視が発生しているのだ。

では私が2万字で伝えたいことは何か。1つはまず、認識だ。

 

写真: 早稲田駅前交差点 筆者作成
写真: 早稲田駅前交差点 筆者作成

これは早稲田駅前交差点の写真である。読者の皆さんは、自分が右下の灰色の車のドライバーだと想像してほしい。もちろん、正面先にある赤を示している車用信号を見なければならない。しかし、あなたが左折をするとなったらどうだろう。歩行者用の信号機の方が距離も近く高さもちょうどいいため、ついそちらの信号が目に入るのではないだろうか。

しかし、ここは一部歩車分離式信号であるため、同じ方向でも同じ色は示されていない。つまり、「ここは歩車分離の交差点だ」と認識する必要があるのだ。

歩行者用信号に気を取られて発進することを「つられ発進」という。歩車分離を採用する上で懸念される事故の1つだ。実際に、早稲田商店会会長の栗林さんも、止まらなければいけない車が歩行者の信号機と見間違えて発進しているのを何度も見たそうだ。

 

この「つられ発進」の事例を、警視庁交通部交通管制課の方に伝えた。

「どうしたらこのようなミスは防げるのでしょうか」。

「なるほど。うーん。このケースでは信号機のつばを長くしたり、ドライバーの視界に入らないように角度を調整するなど改善の余地がありますね」。それに続いて「我々はすべての現場のことをくまなく察知しているわけではありません。やはり、近くに住んでいる人や毎日通勤通学で使っている利用者の方々が一番その交差点について詳しいと思っています。利用者の皆様に危険や不安の声を届けてもらいたいです」と願いをこめて伝えてくれた。

また、次の事例を見てほしい。スクリーンショッ miyazaki

これは2022年2月11日宮崎放送[15]で放映されたものだ。アミュプラザみやざきに繋がる「あみーろーど」では、1時間に18人が赤信号で横断したという結果が顕わになった。意図的な信号無視に限ったものではない。車用と歩行者用の信号機の位置があまりにも近すぎるため、「同じ方向の車が青になれば歩行者も青だ」と勘違いして渡ってしまう人たちがいたのである。

 

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まずは、【同じ方向の信号は同じ色が表示される】信号交差点と、【歩車分離式信号が採用されている】交差点の違いをしっかりと認識してほしい。その上で、自分がこれから利用する信号をきちんと確認してもらいたい。

 

 あなたは身近な危険に気づいていますか

最後に伝えたいことは、「声を上げる重要性」だ。警察庁が公表している「歩車分離制御の導入が検討される条件」[16]は以下の3つである。

 

(1) 歩車分離制御により防止することができたと考えられる事故 ―略― が過去2年間で2件以上発生している場合、又はその危険性が高いと見込まれる場合。

(2) 公共施設等の付近又は通学路等において、生徒、児童、幼児、高齢者及び身体障害等の交通の安全を特に確保する必要があり、かつ、歩車分離制御導入の要望がある場合。

(3) ―略― 歩車分離制御の導入により歩行者等横断時の安全性向上と交差点処理能力の改善を図ることができると認められる場合。

 

警視庁交通部交通管制課の方によると、(1)と(2)がきっかけとなり、歩車分離が採用されるケースが比較的多いそうだ。まず、(1)について。事故が起きてから交差点を見直すことは再発防止のため大変有効的である。一方で、この条件は、事後的であり、被害が出てからでは遅いともとらえられる。また、(3)に関して。果たして信号交差点を利用している際に、「ここが歩車分離式信号だったら、交差点処理能力が上がるのにな」と感じることがあるのだろうか。専門家でもない限り、その状況を予測することは極めて難しい。しかし、(2)の条件は他の2つと異なる。それは、今日あなたにもできるということだ。

毎日問題なく利用し、身近に事故に遭った人もいなければ、そこはなんの変哲もない「安全な交差点」と認識されてしまうかもしれない。是非1度、普段利用している交差点で立ち止まってみてほしい。

 

その交差点は、人と車がぶつかりやすい構造になっていないか。

もしかしたら、事故が発生しやすい危険な場所ではないのか。

 

「当たり前」を疑問視し、そして声を上げることは専門知識がなくても誰でもできることだ。警視庁交通部交通管制課の担当者の方々も「危険だという声が上がった交差点は、必ず確認をする」と話していた。人々の要望に対して門前払いをすることはない。自分そして自分の近くにいる人たちの安全を守るために、今一度いつも使っている交差点を見直してみてほしい。

 

 

 脚注

[1] 命と安全を守る、歩車分離信号普及全国連絡会 (bunri.org) 2022年12月26日

[2] 「現示」とは、異なる方向の交通を整理するために青信号などを表示する順番のこと

[3] 歩車分離式信号に関するQ&A|警察庁Webサイト (npa.go.jp) 2022年8月2日

[4] 令和3年版交通安全白書 全文(PDF版) (cao.go.jp) 内閣府 2022年8月3日

[5] 歩行者の交通事故防止 警視庁 (tokyo.lg.jp) 2022年8月4日

[6] Copy of 歩車分離式信号全国整備率 (flourish-user-preview.com) 2023年1月14日筆者作成

[7] https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20190320-1.pdf 「歩車分離式信号に関する指針」 2022年8月4日

[8] 一部歩車分離式信号機をご存知ですか|東京都小平市公式ホームページ  (city.kodaira.tokyo.jp) 2022年12月12日

[9] Google マップ 早稲田駅前交差点 航空写真 2023年1月27日

[10] 悪影響を与えてしまうこと

[11] 信号機BOXご意見受付ページ|警察庁Webサイト (npa.go.jp) 2022年12月14日

[12] 第3節参照。

[13] 第2章図2の信号。

[14] 図5参照。

[15] 事故を減らす目的なのに・・歩行者の信号無視が続発 歩車分離式の信号機を調査・宮崎県 | TBS NEWS DIG (1ページ) 2022年11月28日

[16] kisei20190320-1.pdf (npa.go.jp) 警察庁交通局「歩車分離式信号に関する指針の制定について」 2022年12月5日

 

参考文献

・「子どもの命を守る分離信号」生活思想社 長谷智喜 1999年7月30日

・「チャイルド・デス・レビュー 救えたはずの小さな命」第三部 SlowNews 穐吉洋子 2021年11月

・「チャイルド・デス・レビュー: 子どもの命を守る「死亡検証」実現に挑む」調査報道グループ フロントラインプレス取材班 2022年11月29日

・「にっしんNo.755」 日本信号株式会社 社内報 2022年4月

・「交通事故鑑定人―鑑定歴五〇年・駒沢幹也の事件ファイル」角川oneテーマ21 柳原三佳 2002年2月1日 

・毎日新聞、東京新聞、日本経済新聞、各紙。

・ hoshabun.pdf (pref.fukuoka.jp) 福岡県警察「歩車分離式信号って何?!」 2022年12月5日

このルポルタージュは瀬川至朗ゼミの2022年度卒業作品として制作されました。